【佐賀2024国スポ】ホープ成田国スポ初V 憧れの先輩に近づく 自転車男子Bポイントレース
国民スポーツ大会(国スポ)「SAGA2024」第4日の8日、佐賀県で各競技を行い、福島県勢は3種目で頂点に立った。自転車男子Bポイントレース(2万4000メートル)は成田光志(17)=学法石川高2年=が圧巻のレースで初優勝。今夏の全国高校総体(インターハイ)を棄権した悔しさを晴らした。同種目での県勢の優勝は2006(平成18)年兵庫国体以来18年ぶり。バドミントンの少年男子はふたば未来高勢3選手で臨み、インターハイで敗れた好敵手を下し、2年ぶり5度目の栄冠をつかんだ。弓道の成年男子近的は21年ぶり7度目となる優勝を果たした。 伸び盛りの2年生が「憧れの先輩」と同じタイトルを手にした。男子Bポイントレース(2万4000メートル)を制した成田は昨夏の全国高校総体に続き、高校で二つ目のタイトルを手にした。昨年の国体は2位、今夏の全国高校総体は体調不良で棄権となり、悔しさを味わった。「今回は優勝すると決意していた」とレースに臨んだ強い思いを口にした。
ポイントレースは400メートルのトラックを60周し、5周ごとに来る「ポイント周回」で1~4着に入る点数の合計を競う。成田は序盤の2、4回目のポイント周回で1着となり5点ずつ積み上げ、優位にレースを進めた。 終盤はライバル視する愛媛の木綿崚介(松山学院高3年)との勝負となった。得点が倍になる最終周回。成田は木綿に先着する2着で36点を積み上げ、6点差で逃げ切った。レース後は中野目啓監督に「よくやった」と肩をたたかれ、会心の笑顔を見せた。 県勢で前回、この種目を制したのはパリ五輪自転車競技トラック代表の窪木一茂(35)=ブリヂストン、古殿町出身=だ。6月に母校で開かれた五輪の壮行会で窪木から「頑張れよ」と直接言葉をもらい、励まされた。世界で活躍する第一人者から刺激を受け、練習に一層励んだ。 普段から海外のロードレースを転戦し、7月の全国高校総体前にカナダから帰国すると体調を崩した。新型コロナウイルスへの感染が判明し、全種目を棄権した。優勝を狙っていただけに、走れないまま逃した落胆は大きかった。今大会前もスイス遠征から約10日前に帰国したばかり。体調管理に細心の注意を払い、ベストの状態で本番を迎えて実力を発揮した。
成田は10日に行われる最終種目ロードレースで87・9キロを走る。前回の国体で42位に終わっただけに雪辱を期す。「優勝を狙う」と静かに闘志を燃やした。