今の保険証をマイナンバーカードと一体化させ、来年の秋に保険証を廃止する方針について、延期を求める声が出る中、岸田首相は早ければ8月2日にも記者会見を開く方向で調整しています。 ある政府関係者は、新たに出す対応策で「マイナトラブルでの逆風をなんとか止めたい」と話しています。 対応策は2つの案が出ています。 1つ目は来年秋の廃止時期を延期する案です。ある政権幹部は「年単位で延期するしか選択肢はない」と話しています。しかし、この場合、法改正が必要で、現職閣僚の一人も「法案を通すのは難しい」と慎重な姿勢です。 2つ目は保険証の代わりに使える「資格確認書」について、1年という有効期限を見直す案です。ある自民党幹部は「この見直しで保険証の廃止時期の延期と同じ効果がある」と述べています。 岸田首相「国民の皆さんの不安への対応、これは丁寧な説明を尽くしていかなければならないと考えています」 岸田首相は8月1日にも河野デジタル相、加藤厚労相ら関係閣僚と詰めの協議を行い、結論が出れば8月2日にも記者会見する方向で調整しています。 デジタル化自体は停滞させることなく確実に進めること、そして「政府の対応への不安を払拭する」こと、岸田首相には2つを両立させる難しい判断が突きつけられています。