田園都市線と南武線が交わる「溝口」(川崎市)、マルイファミリーの「フードコート」でその魅力と楽しみ方を考える
■ファミリーになり切る どうしようかと悩んだ結果、マルイファミリーにちなみ、休日にはボリュームゾーンになると思しきファミリー層の気分に浸ってみようと考えた。チョイスはゴーゴーカレーにペッパーランチ、さらにリンガーハットで、カレー・肉・麺と死角のないメンツをそろえる。 それぞれの店舗で注文して、呼び出し用のデバイスを受け取る。フードコートといえば、これである。今か今かと見つめて待ち、驚かないように待機するも、結局、毎回のように呼び出し音の大きさに驚かされる……でも、これも込みでの「フードコート」だ。
■呼び出し音に驚いた後で…いただきます! 今回は、ピークタイムというわけでもないので、早々に各店舗から呼び出された。 何となくのイメージとしては、子どもが注文したゴーゴーカレーの「ゴリえもんカレー」、親がそれぞれ頼んだちゃんぽんとビーフペッパーライスといった感じ。 ビーフペッパーライスは調理する工程が楽しく、子どもが「焼かせて!」と喜ぶ姿が目に浮かぶ。ちゃんぽんは野菜たっぷりなので、ちょっと小分けにして子どもに食べさせるのも良いだろう。
食べながら周囲を眺める。授業や部活が終わってから、あるいはゲームセンターやカラオケで一通り遊んでから来たのだろうか、徐々に学生が増えてきた。 そして、食事をして、食べ終わった後も楽しそうに話し続ける、長っ尻の学生が多い。そう、そのシームレスな楽しみ方もフードコートならではの風景といえる。 ■瞬く間に3つの姿を見せる、だからフードコートはやめられない 時刻は17時を過ぎたが、幸いにもこの日の席の埋まりは6~7割ほど。テーブル席もちょこちょこ空いている。
ということで、筆者もちょっと長居してみよう。そうなると、さっきまでは腹ペコだったこともあり、何を食べようか迷う「魅惑のレストラン」だったフードコートが、一気にコワーキングスペースにも思えてくる。 ドトールがあることで、Wi-Fiを使えるのがかなり良い。給水所があるので水は無限に飲めるし、ドトールのコーヒーをベースにしながら、小腹が空いたらミスドも、「サーティワンアイスクリーム」もある。 フードコートをさながらオフィスにして、いま筆者はアイスコーヒーを飲みながらこの原稿を書いている。レストランから喫茶店、さらにコワーキングスペースへ。わずか数十分の間に「3つの姿」を見せてくれる、やはりフードコートは摩訶不思議である。
鬼頭 勇大 :フリーライター・編集者