プーチン大統領、アゼルバイジャン旅客機墜落を謝罪…生存者「3回爆発音が聞こえた」
ロシアのウラジーミル・プーチン大統領が3日前に発生したアゼルバイジャン旅客機墜落事故に関連してアゼルバイジャンのイルハム・アリエフ大統領に電話して謝罪した。 タス・ロイター通信やCNN放送などはプーチン大統領が28日、アリエフ大統領に電話をかけてロシア領空で「悲劇的事件」が発生したことに対して謝罪し、犠牲者家族に深い哀悼を表して負傷者の早期回復を祈ったと伝えた。前日、アゼルバイジャン当局が事故旅客機がロシア対空ミサイルまたはその破片と衝突したという予備調査結果を出すと翌日謝罪の意を伝えた。 ◇プーチン大統領「ウクライナドローン撃墜のために防空網作動中」 プーチン大統領はこの日、電話会談で事故旅客機がロシア南部グロズヌイ空港に着陸を試みようとした時、グロズヌイ・モズドク・ウラジカフカスがウクライナ戦闘無人機(ドローン)の攻撃を受けていてロシア防空網が撃退中だったと説明した。ロシア防空網が該当旅客機をドローンと誤認して撃墜したという事実を迂回的に認めた。 続いてプーチン大統領はカザフスタンのカスムジョマルト・トカエフ大統領にも電話して今回の旅客機墜落事故による人命被害に哀悼を表したとクレムリン(ロシア大統領府)は伝えた。 これに先立ち、25日アゼルバイジャン航空旅客機J2-8243便はこの日午前、アゼルバイジャンの首都バクーを出発してロシア連邦内チェチェン共和国首都のグロズヌイに向かっていた途中に方向を変えてカザフスタン南西のアクタウ近隣に墜落した。当時旅客機には乗員乗客67人が搭乗していた。墜落事故で38人が死亡し、生存者29人のうち11人は集中治療室に入院した状態だ。 事故直後、クレムリンは「鳥の群れとの衝突による墜落」と主張したが、米国などはロシア防空網の誤認撃墜の可能性を提起した。CNN航空分析家であるマイルズ・オブライエン氏は「機体に穴がいくつか空いていて、穴の周辺部の金属が内側に曲がっていた」としながら「該当の機体後部付近で爆発があったという根拠」と伝えた。 生存者の証言も撃墜説を後押ししている。生存した乗客の一人は「爆発音が聞こえた後、飛行機が酒に酔ったように揺れて、すぐにでも壊れそうだった」とロイターに伝えた。また乗員の一人は「霧によってグロズヌイでの着陸が拒否されてパイロットが旋回している間に衝突音が3回聞こえた」と説明した。 ◇プーチン大統領の異例の謝罪…中央アジアの感情を落ち着かせるため ロイター通信は今回の電話会談がプーチン大統領の要請で行われた点、ロシアが事実上事故の責任を認めて謝ったことが今回が初めてという点を挙げて「極めて珍しい」と評価した。ワシントン・ポスト(WP)はこの日プーチン大統領は電話会談直前、安保理事会会議を開いて「中央アジアのパートナーとの相互作用」について議論したと伝えて、今回の謝罪がこれまで中央アジアでロシアの影響力拡大を目標に多方面の協力を強化してきたプーチン大統領の動向と無関係ではないと見た。 WPは今回の事故がロシアの攻撃によるものだと発表したが、これはロシア・ウクライナ紛争に関連した2件目の飛行機事故だと伝えた。2014年7月マレーシア航空MH 17便がウクライナ東部上空でロシア製地対空ミサイル「ブーク」に撃墜されて乗員乗客298人が全員死亡したことがある。当時ロシアはウクライナのクリミア半島不法占拠に続いてドンバス地域の親露反乱軍を策動してウクライナ政府軍と交戦中だった。 一方、アゼルバイジャン航空は旅客機事故関連最終調査が終わるまでバクーからロシアの空港5カ所へ向かう航空便を全面的に中断することを決めた。