19’センバツ龍谷大平安 名勝負選/2 ファン熱狂の初勝利 /京都
<第91回選抜高校野球> 高校野球の前身、中等学校野球での平安中の台頭は、昭和の幕開けと共に始まった。1927(昭和2)年夏に甲子園初出場・初勝利を果たした後は、春夏10季連続出場。しかし、センバツ初勝利は3回目の出場となった30年の第7回だった。 この大会1回戦で対戦したのは前年夏の覇者、広島商。エースの伊藤次が1安打完封の快投を演じ、打線は相手投手の制球難につけ込み、押し出し四球で3点を奪って4-0で快勝。「京都のファンの熱はますます上がり、耳目はすべて甲子園に向けられた春であった」と「平安野球部100年史」には記されている。 この大会と夏にいずれも準決勝に進出した平安中は、年末から翌年始に単独で台湾遠征し、10戦全勝の成績を収めている。センバツ準々決勝で台北一中に7-2で勝った試合の印象が強かったために実現した「渡航」だったに違いない。【矢倉健次】=つづく ……………………………………………………………………………………………………… ◇第7回センバツ1回戦(1930年4月1日) 広島商 000000000=0 10300000×=4 平安中 〔京都版〕