クオンツ大手ツーシグマ共同創業者の対立続く、従業員の維持にも影響
(ブルームバーグ): 600億ドル(約9兆円)規模のクオンツヘッジファンド運営会社ツーシグマ・インベストメンツは、共同創業者の間の数年にわたる対立により、顧客に重大なリスクをもたらしかねない状況にあり、12年勤務したベテラン従業員が退職する予定であるなどスタッフの離職を防ぐ能力に影響が及んでいることを明らかにした。
共同創業者ジョン・オーバーデック、デービッド・シーゲル両氏は、最高投資責任者(CIO)を含む幅広い上級幹部だけでなく、自らの役割についての権限、責務、報酬に関してもなお意見の相違があると、同社は29日の規制当局への届け出で説明。両者の意見の対立は、チームの構成、コーポレートガバナンス(企業統治)と監督事項、後継者育成計画にも及んでいるという。
ツーシグマの「(極めて上級の職にある者も含め)従業員を維持し、引きつける能力」に影響を与えつつあり、「顧客からの委託を達成する能力は時間の経過とともに影響を受ける可能性がある」と同社は付け加えた。
ブルームバーグが確認した投資家向け書簡によると、12年間ツーシグマに在籍した投資家向け広報(IR)グローバル責任者、デービッド・コーエン氏が新たな機会を求めて5月に退職する。後任は、欧州・中東・アフリカ担当の成長戦略責任者であるクリス・バスビー氏。共同最高執行責任者(COO)のジェフ・ペニー氏は退任し、もう一人の共同COOティム・レイノルズ氏が単独COOになるという。
ツーシグマの担当者はコメントを控えた。
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原題:Two Sigma Says Co-Founder Rift Yet to Abate as Veteran Exits (1)(抜粋)
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Hema Parmar