聖博物館ボランティア 6月8日に戦争資料清掃企画
長野県東筑摩郡麻績村聖高原の聖博物館ボランティアグループが8日、敷地内に屋外展示されている旧日本海軍の戦艦・陸奥の主砲を来場者と一緒に磨く「清掃プロジェクト」を計画している。貴重な戦争資料である主砲の手入れを通じて同館に親しみ、展示物の保存を支えるサポーターとなってもらう狙いの初企画だ。大勢の参加を呼び掛ける。 同館によると、陸奥は昭和18(1943)年に事故のため広島湾で沈没。45年に一部が引き揚げられ「戦争の悲惨さを回顧し平和に徹する信念を培う」「伝統(国産造船技術)の重要性を認識する」との趣旨で、主砲1門が同館へ展示された。ボランティアグループは活動を始めた令和3年度から清掃活動をしている。 当日は午前10時~正午に作業を行い、希望者は来館すれば参加できる。全長約19メートルの砲身をデッキブラシなどで磨くほか、普段は公開されていない陸奥関連の物品の特別展示なども行う。 グループは、砲身の保護塗装の塗り直しや溶接された後部の尾栓(閉鎖機)の開閉機能の回復、長大な砲身内部に半世紀以上たまったごみの除去方法の解決に今後つながればと期待する。代表の風間莉輝さん(24)は「主砲に直接触れ、戦争に使われた時代を考える機会にもしてほしい」と話す。