マエケン体操禁止の逆風をどう乗り越えるか?
さらに逆風となるのが、イニングの合間のベンチ前でのキャッチボール、マエケン体操を禁止するメジャーのルールだ。日本でも厳格化が検討されながら見送られた経緯のあるルールだが、前田は、これまでマエケン体操とキャッチボールで肩甲骨周りのストレッチを行い、可動域を広げ故障防止につなげてきた。 この日の会見では、マエケン体操禁止についての質問まで飛び、前田は、「ベンチ前では(マエケン体操が)できないので、ルールに従ってベンチの中でやりたい」と答えた。 実際、2013年のWBCでは、そのパターンで乗り切ってきた。だが、短期の大会と長いシーズンでは負担が違う。マエケン体操にプラスして、キャッチボールで肩、肘の血行を良くしながら準備を整えているものだから、1年間というシーズンを考えると、何らかの影響が出てくる怖さもある。 元千葉ロッテの里崎智也氏も、「一番怖いのが怪我。それさえなければ間違いなく2桁は勝てる。だが、ボールやマウンド、中4日登板など、メジャーと日本との環境の違いが、ピッチャーに多大な影響を与えていることは、過去のデータが示している。一方、黒田さんや大きな怪我をしなかった人もいる。マエケンは、黒田さんからじっくり話を聞くなどして、どうすれば故障を予防できるかのメカニズムをしっかりと頭に入れて準備すべきだろう」という意見。 入念な故障防止対策を準備して、キャンプインを迎えることがマエケンの成否を分ける重要なポイントとなることは間違いない。