また“Xポーズ”…性別騒動の台湾ボクサーに敗れた相手が侮辱行為 繰り返される問題抗議に愕然「勝利が台無しに」【パリ五輪】
またしても侮辱的な問題行動に出る選手が現れた。 物議を醸したのは、現地時間8月7日に行われたパリ五輪・女子ボクシング57キロ級準決勝で、エシュラ・ユルドゥズカフラマン(トルコ)が見せた振る舞いだ。 【画像】エアコンなしの質素なデザイン? パリ五輪選手村の全容をチェック 66キロ級のイマネ・ケリフ(アルジェリア)と共に性別騒動に揺れるリン・ユーチン(台湾)と対峙したユルドゥズカフラマン。初回の採点でジャッジ5人全員に0-10をつけられた彼女は、2回以降も苦戦。劣勢となった3回はさらに積極果敢に打ち出しに行ったが、アウトボクシング気味の巧妙な試合運びの前に手こずり、右ストレートなどを当てられてポイントを稼がれた。 結局、試合はジャッジ5人全員がリン・ユーチンを支持。フルマークの判定でユルドゥズカフラマンは敗れた。 試合後、ユルドゥズカフラマンはそのままコーナー付近に移動。ロープに腰をかけ、リン・ユーチンが退場できるように空間を作る。そして、花道へと進む台湾選手と健闘を称えあった。 勝者に敬意を示したかに見えた。だが、リン・ユーチンが去ったリング上に戻ったユルドゥズカフラマンは、指を交差させて「X」の文字を作り四方に披露。1万8000人の観客で埋まった会場は騒然となった。 リン・ユーチンは、昨年にIBA(国際ボクシング協会)が主催した世界選手権で実施された性別適格性検査で一般的に男性が持つ「XY」染色体が検出されたとして失格処分となった。一般的に女性が持つのは「XX」染色体であり、27歳のトルコ人選手が示した「X」は、それを示唆する侮辱行為と考えられる。 準々決勝でもリン・ユーチンに敗れたスベトラーナ・スタネバ(ブルガリア)が同じパフォーマンスをリング上で披露。小さくない波紋を呼んでいたが、それがふたたび繰り返された。 フルマークでの敗戦の腹いせか。試合後にコメントを求められたユルドゥズカフラマンは、「ノーコメント」とキッパリ。「決勝に進めなかったのが残念」と悔しさを漏らすにとどまった。 ただ、五輪で繰り返された侮辱的な行為は海外メディアもクローズアップ。米紙『New York Post』は「リン・ユーチンの勝利の瞬間を台無しにした」と指摘。さらに英紙『Daily Mail』も「ユルドゥズカフラマンは先にリングロープを広げ、ユーティンに敬意を表しているように見えた。なぜこんなことをしたのか」とXポーズを断じた。 もっとも、リン・ユーチンは意に介さない。台湾のニュースサイト『Focus Taiwan』などが報じたところによれば、試合後に相手の問題行動について問われた28歳は「彼女は敬意を持って結果を受け入れていたと信じている。そうじゃなきゃ、あそこでロープに座ろうとしない」とコメント。さらに「彼女は素晴らしい試合を見せてくれた」と振り返っている。こうしたメンタルの強さも決勝進出の要因と言えよう。 なお、激闘を制したリン・ユーチンは、現地時間8月10日に金メダルをかけてユリア・セレメタ(ポーランド)と対戦する。 [文/構成:ココカラネクスト編集部]