2024年後半に迫るChromeのサードパーティCookie廃止:なぜ、ファーストパーティデータ戦略が大事?
Google Chrome(以下、Chrome)のサードパーティCookieのサポート廃止がいよいよ今年中に迎える予定で、インターネット広告業界には大きな変化が訪れます。そんな中「ポストクッキー時代はファーストパーティデータ戦略が大事である」とは以前から言われていますが、なぜ大事なのか、どんなことに注意すべきかを考えてみたいと思います。
ChromeのサードパーティCookie廃止後の世界を整理してみよう
ChromeのサードパーティCookieサポート廃止後、インターネット広告では何が一番影響を受けるのでしょうか。それはアドレサビリティです。 ■ アドレサビリティとは アドレサビリティとは簡単にいうと、デジタル広告が、個人のデバイスやブラウザを識別し、到達可能である状態のことを指します。最もわかりやすい例がリターゲティング広告です。サードパーティCookieの仕組みがあるおかげで、一度ウェブサイトに訪問したユーザーに対して広告を見せることができています。 ■ プライバシーサンドボックスでリタゲ広告と同様のことが実現 ChromeのサードパーティCookieのサポートが廃止になることで、その方法が大きく変わろうとしています。それがプライバシーサンドボックス(Privacy Sandbox)です。プライバシーサンドボックスのProtected Audience APIという仕組みを広告事業者が広告システムに組み込むことで、リターゲティングと同様のことが実現できるといわれています。 ■ プライバシーサンドボックスはChromeのみ。それ以外のブラウザは対象外 そういう意味では、プライバシーサンドボックスはアドレサビリティソリューションの一つです。ですが、プライバシーサンドボックスはChromeブラウザで実現するものです。つまり、Chrome以外の環境は対象となっていない点を考えると、プライバシーサンドボックスだけでは不十分で、その他の手段が必要です。代替手段はたくさんありますが、ファーストパーティデータを活用する方法が最も注目されています。 ご覧のように各社のPC、モバイルのブラウザシェアを考えると、プライバシーサンドボックスだけでは不十分で、その他の手段が必要です。代替手段はたくさんありますが、ファーストパーティデータを活用する方法が最も注目されています。 ■ ファーストパーティデータとは ファーストパーティデータをおさらいすると、企業が自社で収集したデータで、たとえばウェブサイトのアクセスデータ、会員の登録情報や購買記録データなどを含みます。 ファーストパーティデータがあれば、その対象となるユーザーや顧客からデータ活用に対する許諾を得た上で、直接コミュニケーションをとることは今でも可能です。今後はデータクリーンルームなど、メールアドレスや電話番号などを安全な形で暗号化した上で、広告プラットフォームやパブリッシャーが保有しているファーストパーティデータと掛け合わせることで、ピンポイントで広告配信や効果測定を行うことができる仕組みの利用も進んでいくと思われます。 このことからも、アドレサビリティを実現する上でもファーストパーティデータが重要であることをご理解いただけたと思います。