KANA-BOON、KALMA、UNFAIR RULEが競演 『PLAYLIST presents“ヘッドフォンを外して vol.8”』オフィシャルライブレポート
2024年9月4日水曜日の夜、Instagram音楽メディア・PLAYLISTが贈る新世代イベント『PLAYLIST presents“ヘッドフォンを外して vol.8”』が渋谷 CLUB QUATTROにて開催された。 【全ての写真】KANA-BOON、KALMA、UNFAIR RULEが競演 『PLAYLIST presents“ヘッドフォンを外して vol.8”』 このイベントは、なにげない日常に寄り添ったプレイリストを提案するInstagram音楽メディア「PLAYLIST」が企画し、SNSが発達した今こそライブハウスで生の音楽を楽しんでほしいという思いで実現したもの。vol.1,2の開催会場でもある渋谷 CLUB QUATTROでの開催となったvol.8では、KANA-BOON、KALMA、O.A にUNFAIR RULEと、イベントコンセプトの原点に立ち返った、まさに「ライブハウスで楽しみたい」音楽を届けるバンド3組が揃った。 最初にそのステージに立ったのは、岡山発、UNFAIR RULE。山本珠羽(g/vo)から放たれる、優しく且つ芯のある歌声と、"今っぽさ"が濃縮された10代の目線で歌われた歌詞、そしてダイナミックなライブパフォーマンスが話題を呼んでいる。「ライブハウスでしか聴けない歌を」そんな一言から始まったのは「うた」。未配信の楽曲であったが、vo.山本の力強い歌声とギターのサウンドに会場は魅了される。その後も「嘘」「馬鹿みたい」と勢いのままにライブは続いていく。杉田崇(ds)のビートも相まって、UNFAIR RULEらしい力強い音楽で会場を盛り上げる。 「自分だけの解釈で、自分だけの歌にして持って帰ってください」そんな山本の力強い一言とともに、最後の「君にさよならを言わない」へ。《守らなきゃいけないのは私じゃなくて君だった》 きっと誰もが感じたことのある、大切な人への愛が故に生まれた苦しみが描かれた歌詞が、ライブハウスでより心に刺さっていく。トップバッターとして、十分過ぎるほどに会場をあたためた。 続いては北海道発3ピースバンドKALMA。「どんな迷いや決断も、これでいいと思えますように」という一言とともに1曲目は「これでいいんだ」。サビで観客は一斉に拳をあげて盛り上がる。《転んだ日もずぶ濡れになった日も全部を抱きしめて今日も笑っていこう》 うまくいかない日常も愛すことができる、そんな今日が始まりそうな予感がした。勢いそのままに、「隣」「モーソー」へ。畑山悠月(vo/g)と斉藤陸斗(b/cho)が背中合わせでギター・ベースをかき鳴らし、金田竜也(ds/cho)も安定したビートを響かせ、メンバーそれぞれが思い思いに楽しむ。カラフルなライトに照らされ、観客もシンガロングして次第に会場がひとつになっていく様子がより鮮明に見えた。 MCでは、畑山が今回のライブ前にKANA-BOONの谷口鮪(vo/g)とカラオケに行ったときのエピソードを話す場面も。「本人の前でKANA-BOONカバーして一緒にハモってもらった。そうしたら鮪さんが俺もカルマ歌うわ......と言ってくれて、すげぇ喜んでたら俺らの曲じゃなくてBUMP OF CHICKENのカルマだった」と思わぬエピソードを話すと会場からは笑いが。「そのときにも歌ったKANA-BOONの好きな曲を、今日バンドでカバーします」という一言の後に演奏したのは「羽虫と自販機」。まさに、ヘッドフォンを外して訪れたからこそ聴けたレアなカバーだ。 そのまま続くのは「恋人はバンドマン」、そして8月28日にリリースしたばかりの新曲「ROOM」。 《ROOM自由になれても ROOM孤独を感じる》など、サビのリフレインの部分は観客も一体になって盛り上がりを見せ、KALMAのライブを盛り上げる武器がまた1曲増えた印象だった。 「みんなが楽しんでいるところも見たいなんて思うけど、いけますか?」「珠羽よりも、鮪さんよりも、俺が1番大きい声で歌います!!」畑山がそう大きな声で叫ぶと、ライブ定番曲「ねぇミスター」へ。畑山は飛び跳ねたり寝転んだり自由に歌う。斉藤と金田も向かい合って音を響かせ、3人全員が思いのままに演奏する。間奏部分では勢いをつけたまま、「1分間の君が好き」を挟み込んだ。観客のクラップも鳴り止まず、盛り上がりは止まることがない。その後「幸せです、ありがとう!」その一言とともにもう1度「1分間の君が好き」を演奏。まだまだ止まらない、結果的に大盛り上がりで『2分間の君が好き』になった。 「こういう日を誰かが作ってくれて、それを見たい誰かがいる。こういう日があるから、少しくらいつまらない日があってもいいんだなって思った」「来年で結成10年目になる。そもそも売れようと思って組んだんじゃ無くて、音楽が好きな3人で組んだ。変に世間の目とか気にせず、やっていくのが1番いいと思う。いつも今が1番かっこいい、今日のKALMAが1番かっこいい」 そんな熱い思いを伝えた後は「ムソウ」。《夢を想い鳴らすんだよ 青春をまだ続けよう 空っぽになる心を 埋めるのは自分だった》 きっと結成当初からの変わらない思いが、歌詞となり音となりこれからもKALMAの青春として作られていく。今が1番かっこいい、KALMAにしか作れない空間が生まれていた。最後は、少し秋も見え始めた夏の終わりにぴったりな「夏の奇跡」で締め括った。 KALMAの3人が全身全霊で作る音楽とライブは、ライブハウスで聴いて、より楽しめるものだった。気持ちが乗らなくてつまらない日も、KALMAのライブに行けば愛せるようになるんだなと感じられる、そんな時間だった。