ザックが多用する「インテンシティ」とは?
こうしたフィジカルコンディションをコートジボワール戦で100パーセントに持っていき、優れたインテンシティを発揮できるようにする。そこまでの過程にあるのが、コスタリカとの一戦だ。したがって、コスタリカ戦でも前回同様、選手のコンディションや試合勘の見定め、戦術や連係面の確認がポイントで、結果に一喜一憂するのではなく、キプロス戦からどれだけ上がっているかが評価基準となる。指揮官も「引き続き、判断力、頭のキレを高めてほしいというオーダーを出そうと思っている」と語った。 確認という点では、本田圭佑のパフォーマンスにも注目したい。キプロス戦では簡単にボールを失うなど、彼らしいキープ力、力強いプレーが見られなかった。それがミランで出場機会に恵まれず、試合勘や自信を失っていたことによるものなのか、試合3日前に合流したばかりで、単にコンディションが整っていなかったことによるものなのか……。 指揮官は「本田の特長は分かっているし、本田も自分の仕事を分かっていると思うので、本番に合わせられるのではないか」との希望的観測を口にしたが、コスタリカ戦では、本田がどれだけ復調しているのかも重要な確認事項だ。また、酒井高徳は依然として別メニューだが、大迫、青山、齋藤といったキプロス戦で出番のなかった選手たちの出場にも期待が掛かる。 ちなみに、対戦相手のコスタリカは、W杯の出場国で、イタリア、ウルグアイ、イングランドとともにグループDに属している。基本システムは3-4-3(5-4-1)で、ロングカウンターが武器の堅守速攻型のチームだ。要注意人物は万能型のセンターフォワード、キャンベルとドリブル突破から左足のフィニッシュが得意の右ウイング、ブライアン・ルイス。キプロス戦ではピンチらしいピンチがなかったため、森重真人、吉田、今野泰幸らディフェンス陣にとっては、連係面を確認する格好の機会となるはずだ。 (文責・飯尾篤史/サッカーライター)