著名投資家バフェット氏、死後に残る資産の99.5%を慈善信託に寄付
Jonathan Stempel [25日 ロイター] - 米投資会社バークシャー・ハサウェイを率いる著名投資家のウォーレン・バフェット会長(94)が、死後に自身の資産を寄付するための準備を進めている。米誌フォーブスが現在の価値で1500億ドルを超えると評価しているバフェット氏の資産に関し、死後は残余資産の99.5%を娘と2人の息子が監督している慈善信託に寄付する予定だ。 バフェット氏は25日のバークシャー株主宛ての書簡で、娘のスージー氏(71)、息子のハワード氏(69)、ピーター氏(66)が監督できない場合には、3人の後継者候補が指定されていることも明らかにした。 バフェット氏は書簡で「私は王朝を設けたいと思ったことは決してなく、子どもたちの世代を超えた計画を追求したこともない」としながらも、「これらの後継者たちは待機リストに載っている。スージー、ハウイー(ハワード氏)、ピーターが私の全ての資産を使い果たしてくれることを願っている」としたためた。 また、経営から退く意向がないことも書簡で示唆した。 バフェット氏は25日、11億4000万ドル相当となるバークシャー株(クラスA株1600株相当)を4つの家族財団に寄付した。 バフェット氏はこれで、米マイクロソフト共同創業者ビル・ゲイツ氏らが立ち上げた慈善団体に寄付した2006年以来、計580億ドル超を寄付したことになる。現在も14.4%のバークシャー株を保有しており、存命中は5つの財団に株式を寄付し続ける予定だ。 バフェット氏が死去した場合、子どもたちは残る資産の贈与のため約10年間にどのような慈善活動をすべきかを満場一致で決定しなければならない。 バークシャーは時価総額が1兆ドル規模の複合企業で、米大手貨物鉄道のBNSF鉄道、自動車保険などを展開するガイコ、アップル、アメリカン・エキスプレスなどの株式を所有している。