「おもちゃ王国」関係者を書類送検へ 立体迷路事故、業過致傷の疑い
兵庫県加東市の遊園地「東条湖おもちゃ王国」で2021年10月、立体迷路の床が抜けて6人が重軽傷を負った事故で、県警は6日にも、同遊園地の当時の支配人ら3人を業務上過失致傷容疑で書類送検する方針を固めた。捜査関係者への取材でわかった。 【写真】壊れた梁(はり)の破断面=消費者庁提供 事故は21年10月10日、木造5階建ての立体迷路施設「カラクリ迷宮のお城」で起きた。 1~38歳(当時)の男女7人が3階部分にいたところ、床が幅約1メートル、長さ約2メートルにわたって抜け、2階部分に落下した。 7人のうち、20代の男女2人が腰を骨折する重傷、7~38歳の男女4人が軽傷を負った。1歳の女児にけがはなかった。 捜査関係者によると当時の支配人らは、この立体迷路に屋根がなく、雨などの影響で柱や横木が腐食しやすいという危険性を認識しながら、適切な管理を怠り事故を招いた疑いがもたれている。 先月27日に発表された消費者庁の消費者安全調査委員会の報告書は事故原因について、床を支える横木の強度が腐食によって低下していたと指摘。利用者が通りかかった際に重みで横木が崩壊し、床板が抜け落ちたとした。 調査の過程で、施設内の耐震壁の不足や、防水処理が十分でない電気配線なども見つかり、地震や火災のリスクも確認されたという。(宮坂奈津)
朝日新聞社