台湾総統選 前回のようなミスを犯さぬよう巧妙に動く中国
内閣官房参与の宮家邦彦と数量政策学者の高橋洋一が12月13日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。台湾総統選について解説した。
台湾総統選まで1ヵ月、最大野党結束で追い上げ
2024年1月13日の台湾総統選まであと1ヵ月となった。与党、民主進歩党(民進党)の頼清徳副総統がリードしているが、対中融和路線の最大野党、国民党の侯友宜・新北市長が党内を固めて急速に追い上げ、接戦となる可能性が出てきた。同時に実施される立法委員(国会議員)選挙で民進党が過半数を維持できるかどうかも焦点となる。 飯田)来年(2024年)、年明けすぐに総統選があります。 高橋)ある人から台湾へ一緒に行こうと言われているのですが、どうなってしまうのか。心配ですよね。 飯田)結果次第ですか? 高橋)結果次第で日本の安全保障に影響してくるでしょう。「台湾有事は日本有事」と言った安倍さんも、そういうことを見越して言ったのだと思います。連動しているのですよね。
前回のようなミスを犯さないように巧妙に動く中国
飯田)現在の情勢はどうですか? 宮家)もともと3すくみ、4すくみだったところを、与党・民進党の頼さんが少し抜け出した。それに対して、2位・3位の野党連合で巻き返そうとしたのですが、目論見は失敗しました。失敗したけれども、国民党の侯さんが巻き返している。正直言ってわかりません。変な言い方ですが、日本よりもはるかに民主的なところがあって、本当に拮抗しているから。ただ、いままでの台湾選挙を見ていると、拮抗するのだけれど、中国が対応を間違え、進歩系が勝ってしまうというケースが何度かあるわけです。例えば、李登輝さんが出てきた最初の民選で中国がミサイルを撃ってしまったため、李登輝さんが勝ったのです。 飯田)そうですね。 宮家)蔡英文さんだって、前回の選挙は本当に接戦でした。しかし、中国が香港で締め付けを厳しくしたために抗議デモが起き、彼女が勝ったのです。おそらく今回中国は同じようなミスをしないよう、巧妙に動いていると思います。つまり非常に見にくく、わかりにくい。ただ、普通は2位・3位の候補が統一できなかったとなると、野党系は割れるから、本当は与党に有利なのです。しかし、わかりません。