JR用宗駅舎屋上ステンドグラス 13年ぶり“光” 88年の歴史「心に残して」11月から建て替え工事
88年の歴史をもつJR東海道線用宗駅(静岡市駿河区)が11月から建て替え工事に入るのを機に、地元有志が22日夜、かつて同駅舎の屋上で行われていたステンドグラスの点灯を13年ぶりに復活させた。JR東海などによると、現駅舎の取り壊しが始まるのは約1年後。点灯はそれまで続けられる見込み。 同駅舎の屋根上に設置されているステンドグラスは、2011年の東日本大震災後、節電のため消灯していた。同駅を建て替える方針が決まったため、地元住民らでつくる「用宗を楽しくする会」などは、1936(昭和11)年から歴史を刻んだ現駅舎を記憶に残してもらおうと、ステンドグラスの点灯復活を企画。JR東海や静岡市などの協力も得て実現した。 22日の日没後に開かれた点灯式には住民や関係者ら計約50人が出席。カウントダウン後に点灯されると拍手と歓声が沸いた。用宗町内会の栗田正会長(74)は「これからも人々の心に残るような駅舎であってもらえたら」と話し、暗闇に浮かぶ温かい光を見つめた。 建て替え工事中も点灯を続け、看板などフォトスポットも設置される予定。駅舎をデジタル空間に保存するクラウドファンディングも企画されている。
静岡新聞社