「石川祐希はやっぱりスゴい」「あれはエグい」セッター関田、リベロ小川がベタ褒め…男子バレー世界一のために必要な“世界最高峰の日常”とは?
まさに、か。これぞ、か。 わずか一発で、敵も味方も唸らせる。 ネーションズリーグ福岡ラウンド初戦、イラン相手に2セットを先取して迎えた第3セット。日本に10点目をもたらした石川祐希のスパイクを絶賛するのは、リベロ小川智大だった。 【現地写真】「その笑顔にヤラレる…」やっぱりスゴかった“世界の石川祐希”「関田の前で号泣したカワイイ大学時代」も見る!「大人になった高橋藍」「まるでアートな関田のトス」「試合後の仲良しフォト→今回は西田&藍+小野寺&小川」男子バレー熱戦VNLを全部見る(100枚超) この日、スタメン出場を果たしたレシーブの名手は試合後のミックスゾーンで少し興奮気味にこう言った。 「あれはやばいですよ。いーや、あそこに打つ? って(笑)」 このラリーはセッター関田誠大のサーブから始まった。イランからの返球を小川がネットに近い位置でレシーブ。ややレフト側に高めに上がったボールの下に関田が素早く潜り、その後ろを回り込んで入って来た石川にトス。アタックラインより手前のコースに叩きつけた。 小川は「すごい」「えぐい」と畳みかける。 「確かに空いているのは見えたし、祐希さんはインナー(アタックライン手前のクロス方向)が得意だからやるかも、と思ったけど、僕のパスがAパスではなくて、ちょっと割れていたんです。でも、そのボールに対して、祐希さんが回り込んであのコースに打つ。ちょっとすごすぎましたね。(自分が相手のレシーバーだったら)取れないっす。インナーに来るのは見えているから(コースに)入るけど、思ったよりもどぎついコースなので。あれはエグいです」
セッター関田と“あうんの呼吸”
石川自身も会心の一打だったと笑顔で振り返る。 「あれは関田さんとのコンビというか、あうんの呼吸というか。こうしたいとコールしたわけではなく、お互いがフィーリングでやったもので、そこはずっと練習していなくても変わらないなと思いましたし、いいコースにも打てたので、自分自身としても良いスパイクだったと思います」 かつては何度も苦汁をなめたアジアのライバルに、鮮やかなストレート勝ち。会場いっぱいに詰めかけた7619名の観衆を前に、最高の結果で示して見せた。 試合前から雰囲気は最高だった。 会場の福岡・西日本総合展示場はJR小倉駅から10分足らずだが、その道のりにある駅や商業ビルの随所に日本代表のポスターや選手の等身大パネルが展示され、大階段にはマッピングが施されている。隣接するあさの汐風公園にはキッチンカーが並び、パブリックビューイング会場も設けられていた。グッズ売り場には長蛇の列。真っ赤な応援Tシャツをまとった人々は地元グルメに舌鼓を打ち、ワクワクしながら試合開始を待っており、お祭り感を味わうには絶好の環境だった。 国際試合の国内開催は、昨秋のパリ五輪予選以来。しかも、先々週に行われていたブラジルラウンドではアルゼンチン、セルビア、キューバという強豪国を破り、世界ランクは一時、3位まで上昇した。イタリア・セリエAのシーズンを終えて帰国したばかりの石川と高橋藍が不在だったが、サーブで崩した日本代表はブロック&レシーブで切り返し、得点を重ねた。磨きをかけた必勝パターンの構築もさることながら、誰が出場しても戦えることを見事に証明した。 全員が主役で、全員が欠かせぬ戦力――それでもやはり福岡ラウンド開幕戦で一番の盛り上がりを見せたのは、試合前の練習やメンバー発表で「石川祐希」の名が呼ばれた時だった。
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