『ガンダム』戦果だけじゃない「アムロ最大の貢献」とは? そらジオンは勝てねーよ!
兵士の質と戦術、武器にも差があった
また、戦術、武器に加え兵士の質にも違いがありました。 地球連邦軍側は「ボール」とジムの混成部隊を編成し、ボールの長距離砲撃で先制した後に接近してきた敵をジムで迎え撃つという、二段構えの戦術となっていました。ジムはビームライフルやビームスプレーガンといったビーム兵器を装備しており、「ザクII」や「ドム」が装備するマシンガンやバズーカに対し弾速および威力で圧倒的な優位に立っていたのです。戦術も武器の質も地球連邦軍側が上回っていました。 人材についても、ジオン側は学徒動員が行われており、訓練時間も満足に取れないためベテラン兵は機種転換よりも従来の愛機である「ザクII」を選び、最新鋭機のゲルググは新兵に渡される問題も発生しています。 訓練時間については地球連邦側も不足していましたが、元々、航空機乗りが大量にいたことが幸いしました。パイロットは基礎能力の高い人間が選抜されるため、モビルスーツへの乗り換えも十分可能だったのです。 ただ、改めて考えると、いくらマニュアルを手に入れたからとはいえ、訓練無しに操縦できたアムロの異常さが際立ちます。当初は教育型コンピュータの経験値も少なく、補助もしてもらえない状況です。そのような状況下でザクIIを相手に戦い、これを2機も撃破できたのは、やはりアムロは非凡を通り越した特殊な存在といえるでしょう。 また、アムロだけではなく、ろくな訓練も無しに戦闘へ駆り出され、最終的には生還した「カイ・シデン」と「ハヤト・コバヤシ」も大概な存在ではあります。ふたりともエース級の戦果を挙げていますからね。
早川清一朗