「月曜日が辛い」を克服する週末の過ごし方 雨天で頭痛が起きやすい「低気圧不調」の対処法も
シーソーのような自律神経
例えば交感神経が優位で心臓がドキドキしているときには、副交感神経が働いて状態を落ち着かせようとします。交感神経と副交感神経が互いに作用しあう様子を、舟久保先生は「シーソーのよう」だと表現します。 これは、人間は生命を維持するため、外部の環境変化に対応し、体の内部環境をほぼ一定に保とうとするからです。 この働きを恒常性(ホメオスタシス)と言い、例えば暑いときに汗をかいたり、寒いときにブルブル震えたりするのも、体温を一定に保とうとする自然な反応です。 こうした働きのある自律神経が乱れると、体調にも影響が出てしまうのです。 内耳が気圧の変化をキャッチすると、交感神経が優位に働いて体を環境の変化に合わせようとします。健康な人ならその次に副交感神経が働いて、体の状態のバランスを保とうとするでしょう。 しかし睡眠不足やストレス・疲労などで体調に問題があったり、もともと内耳の機能が敏感だったりする人は、気圧の変化をきっかけに自律神経のバランスが崩れやすくなります。 それによって交感神経が優位な状態が続くと、痛みを感じる神経が強く刺激されて頭痛や神経痛を引き起こしたり、逆に副交感神経が優位に立ちすぎると、眠気やだるさが現れたりするのです。
気圧予防には「耳の後ろ」を刺激
気圧の変化による体調不良を予防するツボがあります。 はり師・あん摩マッサージ師の森田遼介さんがおすすめするのは、耳たぶの後ろのくぼみにある「翳風」。 首にはたくさんの神経が走っているため、強く押すのではなく、気圧の変化による体調不良を予防するツボ「翳風」をホットタオルやドライヤー、市販のお灸で温めればOKです。 気圧の大きな変化が起きる前に、「翳風」を温めてみましょう。
腹式呼吸も気圧対策に最適
気圧の変化を乗り切るには、腹式呼吸を取り入れるのもおすすめ。 まずあおむけに寝て両足を骨盤の幅に開き、膝を立てましょう。 その姿勢で鼻から息を吸いながらおなかをふくらませ、「は?」と口から息を全て吐き出しおなかをへこませます。息はしっかり吐き切るよう心がけましょう。 これを10回1セットで、2セットすると気分もスッキリ。 吐き切るとおなかのインナーマッスルが内臓の働きを正常に戻し、自律神経が整いやすくなります。 ※『月間100万人利用アプリ! 頭痛ーるが贈る しんどい低気圧とのつきあいかた』より一部抜粋・再構成。
〈取材協力・監修〉 舟久保恵美:気象病研究者、医学博士 慶應義塾大学医学部神経内科非常勤講師。内田洋行健康保険組合保健師。日本で唯一、低気圧頭痛を専門にする産業保健師。 森田遼介:はり師、きゅう師、あん摩マッサージ指圧師、TC鍼灸マッサージ院院長 埼玉県を中心に往診治療を行う。自律神経の調整を得意とし、根本治療に特化した施術で人気。 脳梗塞リハビリセンターでは鍼灸も活用したボティケアを提案している。NHK「あさイチ」などのメディアにも出演。 デイリー新潮編集部
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