民進党・頼氏が勝利宣言「民主主義を大切にする立場を世界に示した」 総統選/台湾
(台北中央社)第16代総統・副総統選挙は13日投開票され、与党・民進党の頼清徳(らいせいとく)副総統の当選が確実になった。頼氏は午後8時半過ぎ、台北市内で国際記者会見を開き、勝利宣言した。「民主主義体制を大切にする立場を世界に示した」と台湾の人々に感謝し、自身が最も多くの支持を得られたことは「国家が正確な道を歩み、方向を変えたり、古い道に戻ったりしないことを意味している」と力強く述べた。 得票数は午後8時50分時点で550万票を超え、得票数2位の最大野党・国民党の侯友宜(こうゆうぎ)新北市長を90万票以上上回った。 頼氏は1959年、北部・新北市生まれの64歳。台湾大学リハビリテーション学科、成功大学学士後医学科を卒業後、2003年に米ハーバード公衆衛生大学院で修士号を取得した。1991~94年に南部・台南の成功大学病院と新楼病院で医師として勤務した後、96年から国民大会代表(国会議員)、99年から立法委員(同)を11年務め、続いて台南市長(2010年~17年)、行政院長(首相、17年9月~19年1月)を歴任。20年5月から蔡英文(さいえいぶん)政権下で副総統を務めている。 蔡総統の路線を継承し、自由民主主義憲政体制の堅持と台湾海峡の現状維持を掲げる頼氏。ペアで戦う副総統候補に蕭美琴(しょうびきん)前駐米代表(大使に相当)を据え、親米路線の継続を鮮明にしつつ、立候補時には「一つの中国という古い道に後戻りはしない」と述べ、中国と距離を置く姿勢を強調した。 (頼于榛/編集:名切千絵)