アバランチのAva Labs、「Durango」アップグレードのプレリリースコード公開
Ava Labsが「Durango」アップグレードのコード公開
レイヤー1ブロックチェーン「アバランチ(Avalanche)」開発元の米アバラボ(Ava Labs)が、同チェーン次期アップグレード「デュランゴ(Durango)」のプレリリースコードを2月1日に公開した。アバラボのエンジニア部門ヴァイスプレジデントであるパトリック・オグラディ(Patrick O’Grady)氏のXアカウントより公開されている。 「デュランゴ」の主な実装は、アバランチのサブネット同士が相互運用を実現するために使用する通信規格「アバランチ・ワープ・メッセージング(AWM:Avalanche Warp Messaging)」をCチェーン(Contract Chain)とEVM搭載のサブネットで利用可能にするものだ。 これによりCチェーンを含む全てのアバランチエコシステム内のEVM搭載ブロックチェーンが、アバランチのネイティブなクロスチェーンメッセージ機能をサポートすることになるという。 なお同アップグレードは、日本時間で2月14日1:00にアバランチのテストネットである「フジ(Fuji)」に実装されるとのことだ。 今回公開したコードはテストネット用のものであり、すべての「フジ」のノードオペレーターは2月14日の午前1時までにノードのアップグレードを完了させる必要がある。なおメインネット用のノードでは実行はできない。 アバラボは先日1月27日、トランザクションの処理工程を分離することで、独立に並列して処理する仕組みを採用した独自に開発した新たなスケーリング技術「ヴェリクス(Vryx)」を発表。 同技術は初期段階として、アバラボが提供する「サブネット」開発キット「ハイパーSDK(HyperSDK)」のテストネットにて2024年の第2四半期の中ごろにローンチする予定となっている。 ●アバランチについて アバランチは異なるデータ構造を採用するCチェーン、Pチェーン(Platform Chain)、Xチェーン(Exchange Chain)の3つのチェーンで構成されたブロックチェーンであり、それぞれで重要機能の役割を分担している。 Cチェーンではスマートコントラクトの実行が可能なため、dAppsの構築に利用される。またPチェーンはアバランチにおけるメタデータを記録するチェーンとなっており、AVAXのステーキングやバリデーター、サブネットの管理に用いられる。そしてXチェーンは資産の作成およびトレードに特化したチェーンとなっている。 これら3つのチェーンは総合して「プライマリーネットワーク」と呼ばれている。 またアバラボでは、アバランチチェーンを利用した独自ブロックチェーンを構築できる機能「サブネット」を提供している。なお「サブネット」はプライマリーネットワークのCチェーンによって管理されている。そのため「サブネット」のバリデーターは、自身の「サブネット」の運用とPチェーンの同期をとる必要がある。
田村聖次(幻冬舎 あたらしい経済)