巨人OB鈴木尚広氏が11連敗に緊急提言「アクションを起こせ!」
エースの菅野智之を立てても勝てなかった。巨人が6日の西武戦で42年ぶりとなる球団ワーストの11連敗を喫した。1軍昇格、即1番でのスタメン出場となった陽岱鋼の3回の2点タイムリーなどで先手を取ったが、菅野が踏ん張れず、6回に栗山巧の一発など3本の長短打を浴びて3点を失って同点とされた。7回に桜井俊貴、西村健太郎のリレーが失敗して勝ち越し点を奪われ逆転負けを喫した。最下位に沈んだ1975年の第一次長嶋政権で記録して以来となる屈辱の11連敗。巨人は、連敗を脱出するためにどうすればいいのだろうか。 去年オフに引退した元巨人の“走のスペシャリスト”鈴木尚広氏は緊急提言をする。 「連敗するとチームに負の連鎖が生まれる。ああ、きょうも負けるのかと、どこかで一人が思うとチームに伝わってしまって、モチベーションが下がる。下を向き、口数も少なくなる。練習では明るく振る舞っていてもついつい陰になる。追い込まれ、負けられないというプレッシャーから、とんでもないミスを犯してしまうものだ。 流れを取り戻す方法に明確な答えはない。しかし、勝負には待ったがないのだ。やるべきことをやり続けること。奮起、発奮。静かにやっていれば静かに終わってしまう。もがいてアクションを起こせと言いたい。もしかしたら流れが変わるかもしれない。そういう姿勢をファンの方々は見ているのだ。人生はうまくいくことばかりじゃないが、それをはねのける姿勢を選手は見せなければならない。私は苦しいときこそ笑っていた。人のいないところで笑っていた。ネガティブなことはしない。ダメだとも口にしないことだ」 鈴木氏も現役時代の2006年に10連敗を経験した。原辰徳監督が復帰して1年目のシーズン。開幕ダッシュに成功して貯金「12」もあったが、高橋由監督、阿部慎之助、小久保裕紀らが故障離脱したことから戦力がダウン、今年と同じく交流戦から連敗がスタートした。 「交流戦からズルズルと落ちて立て直しができなかった。まだ当時の打線の方が今よりも良かったが、投打のバランスの悪さは似ている。今は打線の不振だけでなく中継ぎのコマも足りない。それでも当時、連敗中に原監督は、前向きなことし言わなかった。とことん沈む経験をして、弱いな、これが自分たちの実力なんだと、という現状を身を持って感じて受け止めた。己を知るということが大事だった。 現状を突きつけられ実力差を感じて自分たちに何が足りないかを知ると練習に身が入った。勝ちたいと思った。それが2007年、2008年の連覇につながった。これくらいの連敗をしないとわからないこともある。僕らも、それを経験して次に生かした。自分たちが弱いということから目をそむけないことだ。何が足りないか、どうすればチームに貢献できるか、もっと言えば、どうすれば巨人を変えられるか。それを真剣に考える選手がひとり、ふたり、3人と増えることが重要だと思う。決断力を身につけるいい機会かもしれない。批判を受け止めて突き進むしかない」