巨人OB鈴木尚広氏が11連敗に緊急提言「アクションを起こせ!」
鈴木氏が考える具体的なアクションのひとつがベンチの積極采配だ。 「巨人打線の問題点は、1、2番の出塁率の低さとスピードを使えないことだろう。2、3本ヒットが続かないと得点につながらない。バリエーションが足りない。ドン底の状況なので、こちらからアクションを起こす、動かす野球を仕掛けてもいいのではないか。リスクはあるが、例えばエンドランをどんどん使って、1、3塁という形を作りたい。同じことをしても前に進まない、何かを起こしてくことが重要だ」 鈴木氏は、最下位に低迷していた中日に今季から守備走塁コーチとして就任した元オリックス監督の森脇浩司氏を取材した際「私たちは弱いから仕掛けないとダメなんだ。無謀な作戦になるかもしれないが、機動力を使って仕掛ければ相手にミスがでる」という話を聞いたという。中日に比べて走れる選手は限られているがその考えは今の巨人にも当てはまるのではないか、というのが鈴木氏の考えだ。 「例えば楽天の選手は1番から9番まで外国人選手であっても全力疾走している。常に次の塁を狙おうという意識、隙をつくんだという意識が見える。ウィーラーにしても積極的に走る。巨人がしていないわけではないが、チーム単位で徹底していくことが大事。それがボディブローとなって効いてくるのだ」 明るい材料もある。陽岱鋼が加わったことで打線が少し活性化してきた。 鈴木氏は「打線は固定して欲しい」という意見を持つ。 「1番陽、2番橋本、3番坂本、4番はマギーと好調の村田を交代してもいいだろうが、日替わりで打順が変わると、打席に入る前に考えることが増えてしまう。勇人(坂本)にしても、1番だと、出塁、相手に球数を投げさせることなど、その役割が増えてシンプルに打席に入れなかったのだろうと思う。連敗中に普段考えないことがさらに増えるのはマイナス。結果が出なくとも我慢することがプラスに転じると思う」 横浜DeNAからFA移籍してきた山口俊も来週には1軍デビューが予定されている。FA組への期待は大きいが、そこには巨人が抱える矛盾、問題点も見え隠れしている。 「ケガをして出遅れた陽岱鋼、山口俊2の人は、チームに迷惑を感じて、心意気を持ってやってくる。チームに流れを呼びこむために新しい風を吹かせて欲しい。頼りきっても仕方ないが、浮上のきっかけになるかもしれない。だが、本来チームを変えるのは、そこではない。生え抜きの若手が出てこないことにはチームは変わらない。チームのピンチは若手にとってチャンス。11年前には、僕や脇谷亮太が1、2番で試された。ここでダメなら来年はない、という危機感を持ってプレーした。でも、今は、若手が、そのチャンスを生かしきれていない。そもそもチャンスを与えるべき若手が見当たらないのだ」