槇原敬之、DISH//、Awichらが出演 世界一クリーンなフェスをめざす『HY SKY Fes 2024 & 前夜祭』オフィシャルレポート
『HY SKY Fes 2024 & 前夜祭』が、2024年3月22日(金) より3日間にわたり、沖縄県総合運動公園多目的広場で開催された。 【全ての写真】全18組の出演者が盛り上げた『HY SKY Fes 2024 & 前夜祭』(全122枚) 今年で5回目を迎えたSKY Fesの特徴は、世界一クリーンなFesをめざし、アートとクリーン活動を絡めたさまざまな取組みにある。HYが自ら手がけた廃材アートの装飾だけでなく、楽器作りワークショップでも廃材を使用するなど、ゴミをリユースする取組みを積極的に行っている。 会場内で出るゴミへのいくつかのアクションも、注目してほしいポイントだ。SKY Fesでは、各自ゴミの持ち帰りを呼びかけているため、全来場者にゴミ袋を配布している。そのゴミ袋には、前回の名嘉俊(ドラムス)に代わり、今回は沖縄の“新星”イラストレーターとして活動するMs.Little Chico(ミス・リトル・チコ)のイラストが施されている。ただゴミ袋を渡されるより気分が上がるし、なによりかわいい。そのゴミ袋にゴミを入れて持ち帰るのも、また楽しい思い出のひとつとなるだろう。 今年も3日間とおして天気に恵まれ、会場の沖縄県総合運動公園多目的広場には全国から2万5000人が来場した。去年の「マスクをしていれば声出しOK」から、今年はマスクも外してOKに! 久しぶりの観客の笑顔に、アーティストも観客も一体になって盛り上がった。
前夜祭
本公演の前日である2024年3月22日(金) 18時より、キャンプサイト脇に設けられたグリーンステージで、前夜祭が開催された。ゲストに沖縄生まれのシンガーソングライター由薫を迎え、約800人に特別なライブを届けた。 グリーンステージは、50センチメートルほどの高さの舞台で、前列の観客との距離はわずか1メートルほど。この距離感の近さが、前夜祭の魅力のひとつである。ステージ前はランタンで幻想的にライトアップされ、HYそれぞれが抱くSKY Fesへの想いに耳を傾けた。 パネルディスカッションでは、うるま市の市役員を迎え、うるま市の魅力や特産品を紹介。ゲストの由薫も参加し、うるま市の観光大使であるHYとのクロストークで、会場を沸かせた。 ネスレ日本株式会社・沖縄エスファウ株式会社・株式会社又吉コーヒー園とのパネルディスカッションでは、沖縄で育てるコーヒーについての説明が繰り広げられた。そして、沖縄でのコーヒープロジェクトをベースに作られた、HYの新曲「明日種~アシタネ~」を紹介。中山コーヒー園・又吉コーヒー園で撮影されたMVをみんなで観て、多幸感あふれる曲に会場から拍手が湧き上がった。 日が沈みはじめた19時前、ランプの灯りに包まれるなか、いよいよ前夜祭のライブステージがスタート。 まずは由薫によるLiveステージ。1曲目は、ドラマの主題歌にもなった「Crystals」を披露。アコースティックギターの音色と、由薫の透きとおった歌声、そして彼女が持つ世界観に、一気に引き込まれた。沖縄でのLiveは今回がはじめてであり、沖縄を想い曲作りをしていることも多いと語り、この舞台に立てる喜びを伝えてくれた。 2曲目には雰囲気を変えて、アップテンポな楽曲「Rouge」。力強いギターと声で歌い上げ、3曲目「No Stars」につなげた。沖縄で見る星が大好きで、沖縄のビーチで作ったと、4曲目に「星月夜」を披露。ステージ裏に月がのぼり、雲ひとつない夜空と由薫が放つ音色で、とても美しい世界が広がった。そして最後の曲「sugar」を歌い上げると、大きな拍手と指笛が鳴り響いた。沖縄をルーツにもつ若き歌姫に、すっかり心をつかまれた約20分だった。 HYによるアコースティックライブでは、「俺たちもこの時間を楽しみたいと思います」と最初の曲「モノクロ」を披露。手拍子と掛け声のかけ合いで、1曲目から会場は大盛り上がりをみせた。「皆さんに笑ってほしい」と、2曲目に「君のうた」を。「皆さんとの心の距離を近づけたいので」と、歌の途中で観客とのリズム遊びをはさみ、会場をひとつにした。 メンバー紹介に拍手と指笛が鳴り響くなか、SKY Fesへのそれぞれのメッセージを伝えた。特に仲宗根泉(キーボード・ボーカル)のトークは、前夜祭ならではの魅力がある。 そして「みんなの歌です。第二の故郷は沖縄なんだと思いながら聞いてもらえたらうれしい」と3曲目「HAISAI」へつなげた。4曲目は、朝ドラの主題歌にもなった曲「いちばん近くに」を披露。新里英之(ボーカル・ギター)と仲宗根の、せつない歌声が会場中に響きわたり、ふたりの心のこもった一言ひとことが、心のなかに溶け込む時間となった。最後は新曲「明日種~アシタネ~」を初披露。サビのダンスをみんなで踊り、スペシャルな時間を終えた。 大きな舞台とは違う、目の前でのパフォーマンスに酔いしれ、これからはじまる2日間への期待を最高潮にして、前夜祭を終演した。