世界一審美性が高いと評価されたクラシカルボディ 3度目の日本一・五味原領「確実に理想の身体に近づいている」
JBBF(日本ボディビル・フィットネス連盟)が主催する各種競技の中でも、より審美性にフォーカスしたカテゴリー「クラシックフィジーク」の日本選手権が、9月1日、宮城県で開催された。優勝したのは、昨年に続き五味原領、これで3度目の戴冠となった。 【フォト】まさに「歩くギリシャ彫刻」。デカく美しくかっこいい五味原のステージショット 昨年のIFBB世界選手権では、クラシックボディビル168cm以下にて世界一の座に輝き、今年のアジア選手権でも銀メダルを手にした。日本体育大学時代からの恩師・バズーカ岡田氏も「歩くダビデ像」と評するボディを惜しげもなく披露した五味原。その地位に驕ることなく、「カットとか重量感とか、全方面で戦える身体を今年は見せられたと思います」と本人が話すように、昨年から確実に進化しているのは誰の目から見ても明らかだった。 「プレッシャーは…感じます。ただ、自分の身体は少しずつですが確実に理想に近づいているので、自信を持って臨むことができました。これまでポージングでごまかしてきた部分があり、実は自分の中ではモヤモヤとしていたのですが、今年は『ここは五味原じゃないな』とは思わせないような身体をつくれたかなと思います」 とはいえ、審査表を見ると階級別では“オール1”の完全優勝ながら、オーバーオール戦では、成長著しい2位の川中健介と1位票を分け合っている。JBBFで本格的に競技がスタートして4年目、青田正順会長も「日本人に合っている競技」と開会の挨拶で話したように、年々競技人口が増え、観客からの人気度も、そして競技レベルも高まっているのは間違いない。その中でも、初年度からのクラシックフィジークに出場し続ける五味原には、アイコン的存在として輝き続けることが期待される。
「今まで通りバランスを崩さず、怪我をせずに大きくなれるように。ボディビル以外のことにも目を向けられるような余裕を持ちながら、これからも身体づくりに取り組んでいきたいと思います」 学生時代から周囲に左右されることなく理想に向けて身体づくりを進めてきた男は、今年12月で27歳。王者のオーラをまといながら、これからも確実に高みへ向けて歩み続ける。
取材・文・写真/木村雄大