中国による総統選介入に関与か 男1人の身柄拘束 台湾・橋頭地検
(高雄中央社)南部・高雄市の台湾橋頭地方検察署(地検)は22日、来月13日に投開票される総統選に関する偽の世論調査結果を複数のメディアに広告として掲載した疑いがあるなどとして、男女4人の取り調べを行い、そのうちねずみ講の運営などで起訴され、二審で有罪判決を受けた後、上告していた男1人の身柄を拘束した。中国側の指示を受け、総統選に不正介入しようとしたとみられる。 男は、中国などから台湾に移住した「新住民」と呼ばれる人々を支援する団体「台湾新住民関懐総会」の幹部の女と結託していたとみられる。この女は11月中旬、南部・高雄や東部・台東の現職里長(町内会長に相当)ら約60人を中国旅行に招き、特定の政党の総統候補を支持するよう求めており、選挙結果の操作を企てたとして今月上旬に身柄を拘束されている。 検察の23日の発表では、男は自身の息子などの金融口座を通じて中国側から金銭を受け取り、別の女の指示を受けて偽の世論調査結果を作成。8~9月にはこの結果を同総会が作成したアンケートだと偽って複数のメディアに広告として掲載し、特定の候補者を宣伝したという。 また別の団体の幹部も10月に男の指示を受け、同総会のために台東で人を集めて中国で接待を受けさせたとしている。 地検は22日、9カ所の捜索を実施。取り調べを受けた4人はいずれも海外の敵対勢力の干渉を防ぐ「反浸透法」や総統副総統選挙罷免法などに違反した疑いが強いとされた。男を除く3人は保釈金を支払うなどして釈放された。 (洪学広/編集:齊藤啓介)