厚皮派?薄皮派?餃子の皮論争するなら、この名店5店を食してからだ!
【薄皮派】極薄皮の中の餡はぎっしり。高知・廿代町『屋台安兵衛』
薄皮なんてもんじゃない。羽衣のような極薄皮をかじると芳ばしい肉餡がみっちり。“何個でもいける”この小ぶりな餃子は昭和45年に僅か5席の屋台から生まれ、知る人ぞ知る高知の屋台餃子文化の先駆者となった。
土佐の酒文化を支える伝統の屋台餃子
香り高く甘みの強い高知産のニラとショウガ、全国から厳選した豚肉とキャベツを使い、注文ごとに一つひとつ熟練の人が巻き、その日の湿度や風向きで微調整しながら鉄のフライパンでカラッと焼き揚げる。創業以来変わらない伝統の味が、今も土佐の酒徒を支え続けている。
「屋台安兵衛」皮データ
<材料> 小麦粉とコーンスターチ、水で作る皮の厚みは0。45mmを記録。全国でも有数の薄皮だ。直径75mm。「365日違う状態を見極めます」とは職人の弁。 <包み方> 餡に野菜が多く、水分を出さないように包み置きは一切せず、1個3~4秒で手早く巻く。 <餡とのバランス> 繊細な皮に対して餡はぎっしりの満足度。季節や皮の状態で1個16~17gに仕上げる。皮の厚み0。45mm。 塚田氏のつぶやき 「皮が薄過ぎて作り置きができず、常に包みながら作るとか。小ぶりなサイズは関西以西ならではかもしれません」。 【DATA】 屋台安兵衛 住所/高知県高知市廿代町4-19 電話/088-873-2773 営業時間/19:00~翌2:30(L。O。)、土曜~翌3:30(L。O。) 定休日/日曜 。
【薄皮派】皮はパリッと、餡は軽やか。東京・南烏山『餃子てんほう!』
店主の山下哲也さんの師匠である、神戸『ぼんてん』ご主人が開発した皮は、うっすらと透けるほどの極薄。パリッとした食感と、食べた時に餡と皮が一緒になくなることを追求した結果だ。
餡とともに溶け合う薄皮の極み
餡は、豚挽肉1に対してキャベツ1。7と、野菜が多め。挽肉は2度挽きと細やかで、皮の薄さもあって、かなり軽い餃子だ。ゆえにまたひとつ、またひとつと箸が進む。水餃子の皮は少し厚めでツルツル感を追求。焼きと水の両方を食べ比べてみるのも面白い。
『餃子てんほう!』皮データ
<材料> 材料は秘密。神戸 『ぼんてん』と『てんほう! 』のみで使われる、薄くても破れない皮。直径80mm。 <包み方> 三点をつまむ「三角折り」という包み方。ひだが多いと皮の食感が硬くなるためだ。 <餡とのバランス> 食べた時に口の中で具と皮が一緒になくなるように、皮の分量はかなり少なく設定。皮の厚み0。3mm。 塚田氏のつぶやき 「神戸からわざわざ餃子の皮を取り寄せているという。ただし、神戸の餃子すべてが薄皮という訳ではありません」。 【DATA】 餃子てんほう! 住所/東京都世田谷区南烏山6-29-6 徳永ビル1F 電話/03-5313-5286 営業時間/11:50~14:00、17:00~22:00(L。O。21:30) 定休日/水・日曜。 モチモチとした歯ごたえの「厚皮」、パリッと軽い食感の「薄皮」どちらも餃子の美味さを伝える上で甲乙つけがたい魅力。餃子ファンの諸君、是非両方味わって、自分自身でこの論争に決着をつけてほしい。 【紹介してくれた人】 塚田亮一 餃子専門ブログ『東京餃子通信』編集長。メディアへの出演多数。「マツコの知らない世界」(TBS系)で披露した餃子レシピは評判に。 photos: Atsushi Kubota / Fumito Kato / Nagisa Nishijima / Ayumi Okamoto
buono編集部