熱戦続くパリ五輪! 東京五輪侍ジャパン金メダルメンバーの現在地は?苦しむ「88年世代」、メジャー移籍は4選手
日本時間27日午前、フランス・パリで開催される4年に一度の祭典が開幕を迎えた。 21年に開催された東京五輪では、日本が世界で3番目となる58個のメダルを獲得。中でも、東京五輪で野球が正式種目となり初めて頂点に立ち、日本中の野球ファンに感動を届けた。当時の侍ジャパンメンバーを振り返ると、今もなお所属チームで活躍している選手が多い。そんな東京五輪メンバーの現在地はどのなっているのだろうか。 【一覧】東京オリンピック メンバー まず目立つのがオリンピック後、メジャー移籍を果たして活躍したケースだ。投手ではメッツ・千賀 滉大投手(蒲郡)と、ドジャース・山本 由伸投手(都城)。千賀は巨人の菅野 智之投手(東海大相模)、中川 皓太投手(山陽)の辞退によって追加招集されると、優勝候補の米国相手に好投。メッツに移籍後も伝家の宝刀「お化けフォーク」を武器に1年目で12勝をあげ、ナショナルリーグの新人王の最終候補に選ばれるほどの躍動を見せた。当時オリックスに所属していた山本も先発した2試合で勝利に貢献すると、右投手の大会ベストナインに選出された。リーグに戻っても3年連続15勝以上の圧倒的成績を残し22年の日本一にも貢献。今年新加入となったドジャースでは、ここまで防御率2.92、6勝2敗の好成績だったが、6月に故障のため途中降板し、早期復帰を目指している。 野手では山本と同じくオリックスで活躍したレッドソックス・吉田 正尚外野手(敦賀気比)とカブス・鈴木 誠也外野手(二松学舎大附)の2人が大会後に移籍を果たしている。吉田は東京五輪の決勝戦で、ヤクルトでも活躍したマクガフから貴重な追加点となる適時打を放つ活躍を見せた。22年オフにレッドソックスに移籍すると、一年目のシーズン中盤まで首位打者争いを演じるなど、非凡なセンスを米国でも発揮している。東京五輪で4番を任された鈴木は苦しんだが、準々決勝の米国戦で大会初安打となる本塁打を放っている。22年オフにメジャー・カブスへ移籍すると一年目は5月下旬に左手薬指に死球を受け約1カ月間の離脱もありながら上位打線を担った。二年目のシーズンは終盤に打撃が爆発し、日本人右打者初の20本に到達する偉業を成し遂げている。 メジャー組が活躍する一方で、国内では88年世代が苦しいシーズンを送っている。東京五輪メンバーで代表に入った88年世代は楽天・田中 将大投手(駒大苫小牧)、中日・大野 雄大投手(京都外大西)、巨人・坂本 勇人内野手(八戸学院光星)、ソフトバンク・柳田 悠岐外野手(広島商)の4選手。田中は準々決勝の米国戦で先発し、3回途中3失点で降板。楽天に復帰した21年からはローテーションを守っているものの、3年連続で負けが先行している。通算200勝の大台まで3に迫っているが、今季は右肘のクリーニング手術を受けた影響で今季は未出場。怪我を癒し、日本を代表する右腕が復活をする姿を皆が待ちわびている。田中と同じく米国との準々決勝に登板した大野は1回を無失点に抑えチームの勝利に貢献した。しかし、23年4月に左肘を手術して1年間リハビリ生活を余儀なくされた。復帰を果たした今季は4月3日の巨人戦で白星をあげているが、その後は2軍調整が続いている。20年に沢村賞を獲得した左腕の完全復活を見せられるのか注目だ。 坂本は腰の怪我もあり2軍抹消を経験するも、昨シーズン22本の本塁打を放って復活の兆しを見せていた。今季はサードを定位置にレギュラーとして期待されていたが、打撃不振で2軍落ちを経験するなど苦しんでいる。東京五輪では1次リーグのドミニカ戦でサヨナラ打を放ってチームを勢いづける活躍も印象的だった。前期首位ターンの巨人にとって、坂本の一打でチームの勢いを加速さることは間違いない。また4人の中で唯一大きな離脱もなく、安定した成績を残しているのが柳田だ。東京五輪では直前の合宿で右わき腹を痛めていたものの、大会では「6番・中堅手」で出場していた。現在は右太ももの負傷で調理離脱中も、リーグ戦でここまで4年連続で20本塁打を記録し、打率も3割に迫る好成績でチームに貢献している。35歳を超え、ベテランの域に差し掛かったが、代名詞でもあるフルスイングで存在感を見せている。 パリ五輪で野球は開催されないが、4年後のロサンゼルス五輪では復活することが決まっている。東京五輪の歓喜を再び味わうことが出来るのか。今から楽しみに待ちたい。