廃業寸前だった名古屋銘菓「鯱もなか」を救った、SNSユーザーの“斜め上をいく着眼点”
すると驚いたことに、その日のうちに返信があり、翌日にはお店を取材してもらえることになりました。まさかの急展開。このときのことを大竹さんは次のように語ってくれました。 「届いたメッセージを見たら、ものすごい心意気じゃないですか。古田さんは不動産業もやられていたと聞いていましたから、ほかにもっと利益を出すビジネスを知っているだろうに……、なんて(笑)。 和菓子屋を営むことは、相当大変ですよ。それでも跡を継ぐと決めた。ただ想いが先走っているわけではなくて、いろいろと計画的に取り組んでいることもプレスリリースを読んでわかったので、ぜひ私に取材させてよ! 連載している『Yahoo!ニュース』で記事を書くよ! とお返事しました。 仕事柄、名古屋の和菓子屋をはじめ、喫茶店、居酒屋、うどん屋などの飲食店とも広くお付き合いがありますが、後継者が見つからず悩んでいるお店が本当に多いんです。売上減に苦しんでいるケースもあるけれど、売れていないわけじゃないのに、跡継ぎがいないために店を閉めざるを得なかったケースも多々見てきました。 だからこそ、古田さん夫妻の事例を取り上げることで、同じように後継者問題に直面している人たちを応援できるんじゃないかと思ったんです」 こうして、まさかの『Yahoo!ニュース』記事の取材を受けることになりました。 ここで少し裏話を明かすと、妻はあまり表に立つことが好きなタイプではありません。取材時に、店を継いでからのさまざまなチャレンジについて話したのは、すべて僕でした。 ですが、プレスリリースでは「専業主婦の娘が店を継ぐ」というところに焦点を当てていましたし、事実、元祖鯱もなか本店の代表取締役は妻なので、大竹さんに相談のうえ、妻をメインとした取り上げ方をしてもらいました。 その他、「廃業寸前」というネガティブなワードをあえて入れることで読者に興味を持たせている点などは、すべて大竹さんのアイデアです。