マグニフィセント・セブン、株下落の流れ変えられるか-今週から決算
(ブルームバーグ): 今週は米大手テクノロジー企業の決算がめじろ押しだ。S&P500種株価指数は19日終了週に約1年ぶりの大幅な下げとなり、人工知能(AI)関連銘柄による反発を期待する投資家にとっては絶妙のタイミングといえよう。
マイクロソフト、メタ・プラットフォームズ、グーグルの親会社アルファベット、テスラ。いわゆる「マグニフィセント・セブン」と呼ばれる大手テクノロジー企業の一角が今週決算を発表する。テクノロジー株はこのところ売られており、ナスダック100指数は週間ベースでは2022年12月以来最長となる4週連続の下落。先週の下落率は22年11月以来最大だった。
AIの人気銘柄、エヌビディアでさえ例外ではなく、19日には終値ベースで10%急落し、時価総額が2120億ドル(約32兆8000億円)減少した。1日としては20年3月の新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)以来最大の下げだった。
ただ希望は見えている。ブルームバーグ・インテリジェンス(BI)のデータによると、アップル、アマゾン・ドット・コム、エヌビディアも含むマグニフィセント・セブンの1-3月期の増益率は前年同期比38%と、S&P500種全体の2.4%を大きく上回ると予想されている。
S&P500種の時価総額の40%以上に相当する約178社が今週決算を発表するが、最も期待されているのは大型のテクノロジー企業だ。問題は、エヌビディアを除くと同グループの純利益の伸び予想は23%にとどまると見られることで、AIストーリーで浮上を目指す算段はより厳しくなりそうなことだ。
ゴールドマン・サックス・グループのトレーディング・デスクが「地球上で最も重要な銘柄」と呼ぶエヌビディアの決算発表はまだ1カ月先だ。
アメリプライズ・ファイナンシャルのチーフ市場ストラテジスト、アンソニー・サグリンビーン氏は、「エヌビディアは実際に予想を上回り続けている企業だが、テクノロジー銘柄全体、特にAIをテーマにしている企業について、投資家は利益について少し目が肥えてきている。企業がAIによる成長を実際に目にし始めているか、少なくともAIによって成長する上で信頼できる計画を持っているかを見極めたいと投資家は思っている」と指摘する。