マグニフィセント・セブン、株下落の流れ変えられるか-今週から決算
広がる懐疑心
懐疑的な見方はこうした世界最大級のテクノロジー銘柄にも広がりつつある。今年の株式市場上昇の大部分を担ってきたものの、高水準の金利が長期化するとの見方が市場で強まる中、ナスダック10O指数が先月ピークを付けた時点から時価総額が9300億ドル以上減少している。
テスラの決算は23日。メタが24日で、25日にマイクロソフトとアルファベットがそれぞれ発表する。アップルとアマゾンは来週の発表で、エヌビディアは5月22日。メタ株は年初来約36%高と、アルファベットの約10%、マイクロソフトの約6%のそれぞれ上昇と、テスラの約41%の下落に比べ、パフォーマンスが際立っている。
モルガン・スタンレーのウェルス・マネジメント・マーケット調査・戦略チーム責任者ダニエル・スケリー氏は、「クラウドコンピューティングの回復が見られ、オンライン広告サイクルが始まっている。年内の大きな政治イベントや夏季五輪を前面に打ち出した広告によって恩恵を受けるだろう。そしてもちろん、最も重要なのはAIの存在だ。テクノロジー業界の勢いが続いていることは否定しがたい」と語る。
逆転か
マグニフィセント・セブンを除くと、S&P500種構成企業の利益は3.9%減少が見込まれている。しかし、市場はこうした傾向が逆転すると予想。BIのデータによれば、25年1-3月期には、マグニフィセント・セブンの増益率17.5%に対し、S&P500種構成銘柄の残りの企業は18%近い数字となる見通しだ。
ただ、前年比での比較はいわゆるベース効果によってゆがめられる。つまり、大手テクノロジー企業の利益成長は今後鈍化するように見えるが、それは前年との厳しい比較によるところが大きいということだ。過去1年の積極的なコスト削減努力の結果、大手テクノロジー企業は依然として力強い成長を続け、健全な利益率を生み出している。
今年に入ってからの上昇でバリュエーションは上昇。ブルームバーグがまとめたデータによると、先週の下落を考慮しても、マグニフィセント・セブン全体では予想株価収益率(PER)31倍で取引されている。