悩める“激闘王”の八重樫東が4階級制覇を狙い現役続行へ
だが、ボクシングと距離を置いたことで、一度、引退へと傾いた気持ちに変化が生まれてきた。 「自分と向き合う時間を作れました。この年になってもう一度やるのは、覚悟が必要です。その覚悟を作れるかどうか。ダメージの自覚症状はないが、自分で壊れているなとわかったら、スッパリと辞めます。でも僕のキャリアはずっと挑戦だったし、挑戦し続けるのが僕のスタイル。そこにモチベーションを見出す。(会長が)最後の勝負のチャンスを作っていただけると思っています」 八重樫は先週からフィジカルトレーニングを再開させたという。 大橋会長は、それでも「止めるのも私の仕事」と最終結論を保留した。 だが、八重樫の現役続行の覚悟に納得した場合の復帰プランも頭にあって「もしやるなら、スーパーフライでの4階級制覇を狙う一発勝負だろう。再起戦を12月に挟んで、来年に世界戦か」と、スーパーフライ級に階級を上げて、日本人初の4階級制覇に挑戦する構想を明らかにした。 ライトフライ級での過度な減量が、試合に影響を与えていることを考えると転級しての再起は正解だろう。来月には最終結論が出される方向だが、“激闘王”八重樫の本当の最後の戦いが始まるのは間違いなさそうだ。 (文責・本郷陽一/論スポ、スポーツタイムズ通信社)