【大学選手権】元カープの「代打の神様」が全国1勝 代打20発はセ記録「僅差でよく学生が粘ってくれた」
◆第73回全日本大学野球選手権大会▽1回戦 福井工大3―2桐蔭横浜大(10日・神宮) 【トーナメント表】今秋のドラフト注目選手も出場 福井工大(北陸大学)が桐蔭横浜大(神奈川大学)に競り勝ち、初戦突破した。初回に1点を先行されたが、4回1死では5番の大西良来外野手(4年=福井工大福井)が右越えに逆転2ラン。6回にも敵失に乗じて加点した。広島、阪神でプレーし、昨年11月に就任した町田公二郎監督(54)が全国初勝利を挙げた。 1点差での逃げ切り。試合後の町田監督は「僅差でよく学生が粘ってくれた。短期決戦で先に点を与えてしまうと、雰囲気は良くないが、逆転ホームランはベンチも盛り上がる一打だった」とナインをたたえた。 明徳義塾から専大を経て、1991年のドラフト1位で広島入り。勝負強い打撃で「代打の神様」として存在感を示し、代打で20本塁打はセ・リーグ記録だ。選手には「本気でやれ」と指導している。「練習のための練習ではダメ。常に試合を意識した中で練習するということ」。一方、ピンチの際には笑顔でマウンドに向かい、声をかける。「緊張がほぐれれば、パフォーマンスも出ますので」。ベンチの選手たちからは絶えず声が出る。闘志全開でまずは1勝をもぎ取った。 11日は連覇を目指す青学大と激突する。「強いチーム。でも勝負は分からない。最後まであきらめず、頑張りたい」。大一番へ、勝負師の眼が光った。(加藤 弘士)
報知新聞社