【中国】シノペックとアラムコ、中国で大型製油所
中国国有石油大手の中国石油化工(シノペック)は18日、サウジアラビアの国営石油会社サウジアラムコと共同で福建省に同省最大規模の製油所と石化コンプレックスを着工したと発表した。2030年の稼働を予定する。 福建省ショウ州市(ショウ=さんずいに章)の「古雷石化基地」に設ける。稼働後は同基地向けに年間500万トンの原料を供給する。投資額は明らかにしていないが、シノペックと福建省が共同出資する福建煉化が50%、シノペックが25%、アラムコが25%をそれぞれ出資する。 シノペックによると、同拠点には年産1,600万トンの石油精製拠点、年産150万トンのエチレン工場、年産200万トンのパラキシレンと下流誘導品の生産設備などを導入する。 アラムコの幹部は、今回のプロジェクトについて「中国での下流事業拡大に向けた新たな一歩となる」と述べ、原油を石油化学製品に転化する事業を加速するために、中国に1日100万バレル以上の原油を供給する計画だと強調した。 アラムコは近年、中国での石化事業の拡大に向けて、中国の民間企業との協力も強化している。昨年以降は、中国化学大手の栄盛石化や江蘇東方盛虹、石油精製から石油化学製品の生産まで一貫して手がける山東裕竜石化にそれぞれ10%を出資すると発表した。 4月には中国ポリエステル大手、恒力集団傘下の恒力石化の株式約10%を取得すると発表。恒力石化は遼寧省に日産40万バレルの製油所と石化コンプレックスを持つ。