ロシアがウクライナ戦争を激化、米は「適切」に対応=国務省報道官
[ワシントン 18日 ロイター] - 米国務省のミラー報道官は18日、ロシアが北朝鮮兵士をウクライナとの戦闘に投入したことに言及し、ウクライナ戦争をエスカレートさせているのはロシアとの見方を示した。 ミラー氏は記者会見で、バイデン大統領が米国製兵器を使用してロシア領内を攻撃することをウクライナに許可する決定を下したかは確認せず、米国は「常に適切に適応し、調整する」と改めて表明するにとどめた。 ただ、ロシアは1万1000人の北朝鮮兵をウクライナが越境攻撃を行っているロシア西部クルスク州に投入したと言及し、「アジアの軍隊を欧州の戦争に投入することで、ロシアは戦争を大きくエスカレートさせた」と指摘。ロシアと北朝鮮によるエスカレーションに対する責任を問うために、米国は「適切」に対応するとの考えを示した。 ロイターは17日、ウクライナが米国製兵器を使用してロシア領内を攻撃することをバイデン政権が許可したと報道。これについてロシア大統領府のペスコフ報道官は18日、米国は紛争に直接関与することになると指摘し、バイデン政権は退陣を前にウクライナ紛争をエスカレートさせていると批判した。 ロシアのネベンジャ国連大使は18日、国連安保理の会合でメディアの報道に言及し、バイデン政権は「長射程兵器を使ってロシア領内を攻撃する自殺行為的な許可をゼレンスキー(ウクライナ大統領)に与えた」と指摘。「バイデン氏はさまざまな理由から、失うものは何もないのだろうが、英仏の指導者の近視眼性には驚かされる」とし、「彼らは退任する政権の術中にはまろうとしており、自国だけでなく欧州全体を甚大な結果を伴う大規模なエスカレーションに巻き込んでいる」と述べた。 一方、ラミー英外相は国連で記者団に対し、北朝鮮兵士の投入は「大きなエスカレーション」だと述べ、ウクライナが可能な限り強い立場に立てるよう支援する考えを示した。