マイナ保険証のせいで「死亡事例」まで…12月から起こる「医療機関パニック」最悪のシナリオ
「裏保険証」の登場
すでに、経費も安くリスクも少ない「裏保険証」を出すことを決めている自治体は多い。 東京では、新宿区、世田谷区などが、被保険者全員に「資格保険証」だけを出すことをことに決めているが、他の区も、「国民健康保険証」の有効期限が切れる来年9月末までに、同様の方向で統一されてくことだろう。 京都では、久御山町、宇治田原町、傘沖町などがすべての被保険者に「裏保険証」とも言える「資格確認書」を送ることを決めている。財政が逼迫して人手がない自治体は多く、こうしたところにも「裏保険証」は広まっていくことになるはずだ。 しかも、自治体の中には、券面まで「保険証」とほぼ同じというところもある。 図は川崎市が、11月下旬に送るはずだった「資格確認書」を、誤って10月に送付したものだが、現行の「保険証」と比べてみると、違うのはタイトル(赤丸部分)だけ。 現行の保険証には「被保険者証」と書かれており、新たに発行されるものには「資格確認書」とあるが、それ以外は内容からデザインまでまったく同じ。おそらくこれを送られた人は、「新しい保険証が来た」としか思わないだろう。 自治体にとっては、「保険証」が廃止されても「裏保険証」があれば、事務作業は楽になるが、「裏保険証」が今後どんどん増えて行くと予想される背景には、もう1つの大きな理由がある。それは、この先「マイナ保険証の2025年問題」といわれる大きな壁が待ち受けているからだ。 後編記事『いきなり「無保険」になって全国民が大パニック…?マイナ保険証「2025年問題」のヤバすぎる全容』へ続く。
荻原 博子(経済ジャーナリスト)