どうやって捨てるのが正解? 収集車の中で破裂する事例が頻発 ビーズクッションの回収に苦慮する自治体 破裂後のリスクとは
包み込まれるような肌触りと弾力、いったん身を委ねるとなかなか起き上がれない…。疲れた現代人を優しく癒やす「ビーズクッション」だが、厄介な一面があることをご存知だろうか。 【写真】路上に散乱するビーズ
ビーズクッションに詰まっているのは、直径が数ミリのプラスチック製の微細なビーズ。もし、これがビーズクッションの縫い目などから飛び出すと、大変なことになる。その場に白い微細な粒が大量に飛び散り、さらに粒は静電気を帯びていろいろな所に付着する。これがなかなか取れない。
「ビーズクッションのカバーを開けたら、中身が部屋中に飛び散って大変なことになった」(43歳、会社員男性)「クッションの上に子どもが飛び乗ったら、縫い目が裂けてビーズまみれになった」(49歳、主婦)など家の中で飛び散って困った経験を持つ人も。特に注意が必要なのは、捨てるときだ。家庭ごみとして出されたビーズクッションがごみ収集車の中で破裂し、中身のビーズが飛び散る事例が全国で頻発している。全国の自治体はこの対策に苦慮。長野市は4月、ビーズクッションを「可燃ごみ」として収集しないルールに変更した。その理由を担当課に聞いた。
ビーズクッション、なぜ破裂?
長野市では昨夏、「可燃ごみ」として回収したビーズクッションが、運搬中に破裂する事案が頻発。市生活環境課には、収集運搬の業者から「困っている」との報告がたびたび寄せられていた。 家庭ごみを収集運搬するパッカー車は、車の後部のホッパーと呼ばれる投入口にごみを放り込むと、ごみを圧縮しながら荷台の奥へと押し込んでいく仕組み。これにより大量のごみを積むことができる。しかし、ビーズクッションをパッカー車に入れると、圧縮された際にカバーが破れて中身のビーズが飛び散ってしまうことがある。
破裂するとどうなる?
いったん破裂すると、パッカー車はビーズまみれに。道路などにも飛び散ると、細かくて軽いビーズは風でどこまでも舞い散ってしまう。路面に散らばって交通障害を引き起こしたり、プラスチックごみとして海に流入したりする恐れも。 プラスチックを原料とする小さなビーズは、静電気を帯びてあちこちにくっつくため、全てを取り除くことは非常に難しい。掃除機で吸い取ろうとしても、掃除機本体にくっついてしまう。