白スパイク、クーリングタイムの導入など 甲子園の熱中症対策
昨夏の第105回全国高校野球選手権では、選手が熱中症を訴えたケースは34件あった。2022年の第104回は51件、21年の第103回は27件、20年の第102回は新型コロナの影響で中止だった。 【写真】熱中症で降板した甲子園 「申告できる人に」京大監督の教訓と指導 昨夏の甲子園から五回裏終了後、10分間の「クーリングタイム」が初めて導入された。選手はグラウンドに出ず、ベンチ裏で理学療法士の指示を受けながら水分を補給したり、ネッククーラーなどを使って体温を下げたりする暑さ対策の取り組みだ。大会後、主催者による出場49代表へのアンケートによると、効果が「とてもあった」「あった」と8割が回答した。 選手は19年まで黒色のスパイクしか使用が認められなかったが、20年から白色スパイクが公式戦で使えるようになった。近年は1週間で500球以内とする球数制限、タイブレーク制、18人から20人へのベンチ入りメンバーの増枠、低反発の新基準バットの導入なども実施され、選手の負担軽減やけがの防止を図っている。 阪神甲子園球場も暑さ対策を進めてきた。19年の第101回を前に、アルプス席や外野席にエアコンを増設。入場門にはミスト噴霧器を設置した。アルプス席の一部の床には遮熱塗装を施した。大会期間中には主催者と協力して、応援団が待機する一、三塁側アルプス席の入場門前に大型テントや扇風機を置いた。将来、内野席の一部を覆う屋根「銀傘」は両アルプス席まで拡張する予定で、25年の大阪・関西万博終了後に着工する見込みだという。(室田賢) ■■甲子園の熱中症対策のポイント ・白色スパイクの使用認可 ・五回裏終了後に10分間の「クーリングタイム」を導入 ・応援団が待機する一、三塁側アルプス席の入場門前に大型テントや扇風機を設置
朝日新聞社