【高校野球ベストシーン’23・大阪編】両左腕の意地がぶつかりあった大阪夏の決勝、中日4位・福田がソフトバンク1位・前田に投げ勝った
2023年もあとわずか。ことしも高校球界ではさまざまな印象的な出来事があった。各都道府県ごとにベストシーンを思い出してみよう。 【動画】履正社の剛腕・福田幸之介が凄まじい... 【選手権大阪大会決勝・履正社vs.大阪桐蔭】 今年の夏の大阪頂上決戦は、「両横綱」が、がっぷり四つに組んで激突。結果は、3対0で履正社が大阪桐蔭に勝利した。過去、両者の決勝での対決は5度あったが、すべて大阪桐蔭が勝利。履正社は初めて大阪桐蔭に決勝で勝利し、優勝した19年夏以来の甲子園切符を手にした。 その立役者は福田 幸之介投手(3年)だった。強力打線を相手に、わずか3安打の完封劇。5回までは1安打に抑える安定感で、3点の援護で十分だった。2年に夏選手権デビュー。秋は満足のいく成績を収めることができなかったが、3年春のセンバツの高知(高知)戦で先発7.1回を3失点。7回までは無安打に抑える好投を見せ、大きな自信をつけていた。3年となってから大きく成長を遂げ、夏に大仕事をやってのけた。 大阪桐蔭の先発・前田 悠伍投手(3年)は、福田とは正反対に1年秋から頭角を現し、世代No.1左腕として君臨していた。1年秋から明治神宮大会連覇、2年春のセンバツでチームを優勝に導くなど、早くから注目されていた。その後、不調の時期もあったが、3年夏に復活。決勝の舞台に上っていたが、4回までに3点を失って最後の夏は甲子園に届かなかった。 福田と前田。歩んできた道がまったく違う2人の左腕は、最後の最後で福田が「逆転」した形となった。 前田はその後、その悔しさを晴らすようにU-18W杯で日本の初世界一に貢献。ソフトバンクに1位指名でプロ入りを果たした。福田も甲子園での活躍が評価され、中日4位指名を勝ち取った。 大阪の舞台で切磋琢磨した2人の左腕は、プロの世界でも激突する時が訪れるだろう。2人の対決の物語には、まだ続きがある。