西島秀俊、同役を演じる水上恒司と似ているところは「眉毛がぼさぼさなところ?(笑)」『黄金の刻~服部金太郎物語~』
今回、2人は「劇場版 奥様は、取り扱い注意」以来3年ぶりの共演となったが、金太郎という同一人物の壮年期と青年期を演じ分けたため共演シーンはごくわずか。これには水上も思うところがあったようで、「西島さんのお芝居を現場で見られていないので、いつかがっつり共演して、現場での姿勢などを学ばせていただきたいです」と懇願。「敵対する役とかでも…」と言うが、西島が「いや、味方でいいでしょ(笑)。それじゃ、またあまり会えないよ(笑)」とツッコみ、息の合ったところを見せる場面も。 しかし西島は、その後はすぐに真剣な表情に戻り、「水上君は、自分のやりたいことが明確に分かっていて、そのことに向かって純粋に進んでいくタイプだと勝手にイメージしているのですが、自分の道をゆっくり進んで、良い作品を重ねていってほしい」とアドバイス。これを真摯に受け止めた水上は「僕も西島さんの歳になったときに、後輩に対して的確なアドバイスを送れる、そういった姿勢でいたい」と瞳を輝かせ、今後の2人の共演への期待がさらに高まった。 そして、話題は豪華共演者のことに。金太郎を献身的に支え続けた妻・まん役は松嶋菜々子、時計店を営む卓越した腕を持つ時計職人で、後に金太郎の盟友になる男・吉川鶴彦役は山本耕史、金太郎とは丁稚奉公時代からの親友で、金太郎を兄と慕うも考え方の違いから後に衝突してしまう岩倉善路役は濱田岳、金太郎の初恋の相手・辻浪子役は吉川愛、浪子の父親で金太郎が丁稚奉公する洋服問屋「辻屋」の店主・辻粂吉役は船越英一郎(特別出演)、フランス商館「ブルウル商会」の番頭で、信頼できる金太郎に輸入時計の販売を託すキーマン・吉邨英恭役は髙嶋政伸、そして、壮年期の浪子を高島礼子が演じるなど、ベテランから若手有望株まで多彩な顔触れ。 一同について、西島は「すごい俳優の方々が集まっていらっしゃるので、皆さん、自分の演技のことよりもこのシーンにとって自分がどうやれば、より素晴らしいものにできるかということに意識が向いていました。エキストラの方たちもその場で考えてくれて、まさにみんなで作っていった感じでした。大変なこともありましたが、とても演じがいのある現場でした」と、濃密で貴重な時間を共にしたことを明かした。 特に、『レッドクロス~女たちの赤紙~』以来9年ぶりの共演となった松嶋に関しては「声が素晴らしいんです、ずっと聞いていたいくらい。それに泣きの演技がすごく響く、特別な女優さんです。松嶋さんは自身の持つ度量の広さ、役への理解も含めて、素晴らしかった」と賛辞を贈った。 さらに、MISIAがこのドラマのために書きおろした主題歌「ゆびきりげんまん」についても言及。MISIA本人がこの曲に込めた想いを「未来への強い約束の気持ち。未来へ歩き出す人たちの応援歌」と語ったが、水上は「『黄金の刻』にふさわしい曲」と称賛。西島も「何度も挫折し、それがプラスに変わっていく金太郎さんの人生と歌詞が、とてもフィットしています」と分析した。 また、記者からの質疑応答で「2人にとっての“黄金の刻”とは?」と聞かれると、「映画が好きなので、映画館に行って座って待っているときに、徐々に暗くなっていく途中が好きなんです。ドキドキしますし、いいなぁって思えるんです」(西島)、「洗濯が家事の中で一番好きなのですが、洗濯物がいかに早く乾くかと考えながらハンガーに干している時が“黄金の刻”です」と、それぞれユニークな答えが。 また、間もなく新年度となるが、「チームや組織の中でどのような人物と働きたいですか?」との問いには、「今回の共演者の方もそうでしたが、情熱をもって取り組む方々と仕事をしたい」(西島)、「作品ごとにスタッフも演者も変わりますので、同じメンバーが二度と集まることはないんです。ですので、なぜこの人はこの角度からカメラを撮るのだろう? とか、なぜ、このお芝居をされるのだろう? といった、興味が沸く方々と仕事をすることは幸せ」(水上)と語り、会見は終始笑いの絶えない、良いムードのままで幕を閉じた。 現在、当たり前となっている正確な時間の重要性に気づき、時計商を目指す服部金太郎の試練の物語。「観てくださった方が、明日から頑張ろう、未来に向かって邁進していこうと、前向きな気持ちになってくださればこれほど幸せなことはありません」(西島)、「“時”というスケールの大きいものに金太郎さんが魅了されていったことは、とてもすてきなことだと思います。人生をかけて何かを追い求めていくということを、観てくださる方も見つかるきっかけになればうれしいです」(水上)と意気込む本作に注目だ。
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