斎藤知事の最側近が“人事権をちらつかせた脅し”のような言動...「どうなってもしゃあないな?」元県民局長への事情聴取 片山元副知事が“告発者さがし”の内幕を証言
そうした中で、3月25日には最初の事情聴取が行われました。亡くなった元県民局長へ最初に事情聴取を行ったのは片山元副知事(と職員)で、人事権をちらつかせるような発言もあったということです。 【事情聴取での片山元副知事から元県民局長への発言】 「名前が出てきた者は一斉に嫌疑をかけて調べなければしゃあないからな。メールで名前が出てきた者は在職していることは忘れんとってくれよな」 元県民局長は当時、退職時期が迫っていました。この片山元副知事の発言は、メールの調査で名前が出てきた“今後も在職する他の職員”に「影響が出ることを忘れんとってくれよな」という意図ともとれます。また、次のような発言もあったということです。 【事情聴取での片山元副知事から元県民局長への発言】 「みんな嫌疑をかけるから、(退職まで)5年なり10年ある者、ようおったけど、わしがチェックするわ、しゃあない。A氏を上げよう(昇格)と思っていたが、どうなってもしゃあないな。それはかまへんな」 事情聴取の結果、片山元副知事は「元県民局長が何度も『1人でやった』『うわさ話をまとめた』と言っていた」と知事に報告しました。ただ、このような事情聴取で元県民局長が真実を発言できたのかは疑問です。 百条委員会でも、「どう考えても“告発者さがし”であり、人事権をちらつかせた脅しでは?」と指摘がありました。それに対して片山元副知事は「その時の一つ一つの発言に厳しいところがあったことは指摘のとおり。反省している」と答えました。 この事情聴取のやりとりについて松田真紀弁護士は、当時の調査方法や状況などを総合的に判断する必要があるとしたうえで、「脅迫罪になり得る」という見解を示しています。発言が怖さを感じさせることになるため、個人の自由な意思決定を奪うことになり、脅迫罪になる可能性があるということです。
元県民局長から「告発文書の精査」の依頼 元副知事は“公益通報”と認識せず
なぜ“告発者さがし”にブレーキがかからなかったのでしょうか。片山元副知事によりますと、3月22日か23日に、幹部から片山氏へ「こういう案件は第三者で調査することが多い」という話があり、また3月24日ごろには、協議に参加した幹部に対して人事課が「第三者機関での調査」を進言したということです。ただ、「第三者委員会などを立ち上げると時間がかかる」という知事の意向で実現しなかったということです。 3月27日には、元県民局長が「告発文書の内容を精査してくれ」と片山元副知事に依頼。片山元副知事は「わかった」と発言したものの、動くことはありませんでした。このやりとりについて、百条委員会で「当時、公益通報という認識はあったか?」と問われた片山元副知事は「ありませんでした」と答えています。ただ、片山元副知事は兵庫県の公益通報の担当者の1人なのです。 斎藤知事は証人尋問で、元県民局長の事情聴取について「片山氏に一任」していたと認めています。その上で、第三者委員会の調査については「3月25日前後に、委員会を立ち上げて話を決めていく方法もあるよねといった記憶は少しある。ただ、第三者委員会をやりましょうとか、そういった話はなかったと記憶している」と発言。 片山元副知事の証言からは、人事課が第三者機関での調査を進言していたとして“告発者さがし”にブレーキがかかりそうな局面があったことが明らかになりました。ただ知事としては、そのようなことが積極的に話されたことはなかったという認識で、話の食い違いが見られます。 (2024年9月6日放送 MBSテレビ「よんチャンTV」より)