小林誠司が6年ぶりに正捕手奪取か 他球団から「打撃も怖い」警戒が
増えている出場機会
野球人生はどう転ぶか分からない。巨人・小林誠司が輝きを取り戻している。 原辰徳監督が指揮を振るっていた昨年までは、強打に定評がある大城卓三が正捕手の座を築いていた。かつて正捕手だった小林は2020年以降に出場機会が大幅に減少。昨年は21試合出場で打率.125に終わった。「自分自身、このままではダメだと重々承知しているので、何か変わったなと思われるように。体も心も強くなれるように頑張りたい」。昨年12月はジャイアンツ球場や東京ドームでトレーニングなどに打ち込み、「基本的には(練習は)1人。終わってから1人でサウナに行って考えています」と自分自身と向き合っていた。 【選手データ】小林誠司 プロフィール・通算成績・試合速報 阿部慎之助監督が就任し、背水の陣で迎えた今年。開幕から1週間は大城が先発マスクをかぶっていたが、その後は小林のスタメン出場が増えていく。同学年の菅野智之が登板した全6試合でバッテリーを組み、4勝0敗、防御率1.37。ソフトバンクからトレード移籍の高橋礼ともコンビを組む機会が多く、2勝1敗、防御率1.37と復活をアシストしている。「勝てる捕手」が一番の存在証明になる。エース・戸郷翔征ともバッテリーを組むようになり、ここまでチーム最多の15試合で先発マスクをかぶっている。一方、自慢の打撃で打率.188と精彩を欠く大城は5月8日にファーム降格。岸田行倫と共に小林の出場は今後も増えていくだろう。
攻守走にハツラツとプレー
20年以来4年連続打率0割台、1割台だった打撃でも貢献している。10日のヤクルト戦(神宮)では1点リードの7回に好投手のヤフーレから左翼席へ今季初アーチ。21年9月12日の広島戦(マツダ広島)以来971日ぶりの一発が勝利へ貴重な一撃となった。11日の同戦でも4回に左翼線適時二塁打。22年9月23日の中日戦(バンテリン)以来596日ぶりの二塁打で4点差に突き放した。 他球団の首脳陣は「ミート能力では大城と比べると見劣りしますが、小林はパンチ力がある。甘く入ったらスタンドに運ぶので気が抜けない。今はリズムよくプレーしているので打撃も怖い。小林が打つとチーム全体が盛り上がるので勢いに乗せたくないですね」と警戒を強める。 打って、守って、走って――。走塁でも執念を見せる。12日の同戦では同点の7回に先頭打者で四球で出塁すると二盗に成功。門脇誠の右飛でタッチアップし、豪快なヘッドスライディングで三塁に進んだ。得点は入らなかったが、小林の気迫十分のプレーに三塁ベンチは大盛り上がりだった。