金正恩に会ったポンペオ、また長官に就任か…トランプ2期目は「イエスマン内閣」(2)
◆「関税爆弾」設計者、ライトハイザー氏を重用か トランプ氏の最側近経済策士ロバート・ライトハイザー元米通商代表部(USTR)代表は財務長官のほか商務長官の候補としてよく言及される。ライトハイザー氏はトランプ氏の「関税爆弾」の設計者でもある。昨年8月に出版された『No Trade Is Free』では「中国とはデカップリング水準を越えて貿易関係を完全に断絶するべき」と主張するほど過激だ。 韓国に対しては「(米国は)防衛費として数十億ドルを分担するが、韓国は米国に対する輸出障壁を維持して大規模な黒字を出している事実のため、よくトランプ氏を怒らせた」と強く批判した。トランプ氏はこの本を絶賛して大量購入し、選挙陣営に配ったという。 キース・クラック元国務次官(経済成長・エネルギー・環境担当)、ワールドレスリングエンターテインメント(WWE)の共同設立者リンダ・マクマホン氏、外食業者経営者出身のレイ・ウォッシュバーン氏も商務長官候補群だ。 クラック氏は国務次官だった2020年、中国の強い反対の中で台湾を訪問したが、これは1979年に米国が台湾と断交して以降、台湾を訪れた最高位級の人物だった。またクラック氏はトランプ政権が推進した反中国経済ブロックであり産業サプライチェーン共同体「経済繁栄ネットワーク(EPN)」を主導するなど反中イメージが強い。マクマホン氏は2016年の大統領選挙当時からトランプ氏を積極的に支持した後援者だ。1期目も中小企業庁長官を務めるなど重用された。トランプ氏の政策参謀が設立したシンクタンク「米国優先主義政策研究所(AFPI)」の理事会議長も務めた。 2000年から共和党募金活動をしてきたウォッシュバーン氏は1期目、米政府開発金融機関である海外民間投資公社(OPIC)のCEOを務めた。大統領情報諮問委で核心顧問として活動した。1期目には内務長官候補にも挙がった。 ◆エネルギー長官候補にバーガム氏 トランプ氏が「化石燃料規制を廃止して世界で最も安いエネルギーと電気を供給する」と公約しただけに、関連政策を担うエネルギー長官も注目される。1期目には韓米自由貿易協定(FTA)再交渉過程で韓国が米国産液化天然ガス(LNG)輸入量を大幅に増やした経験もある。 ひとまずトランプ氏陣営の内外ではダグ・バーガム・ノースダコタ州知事を重視している。ノースダコタ州は米国最大のシェール油田地域だ。選挙期間中、トランプ氏は「(バーガム氏は)私が知る誰よりもエネルギーについて多くことを知っている」と称賛した。バーガム氏は先月中旬に訪韓して尹錫悦大統領を表敬訪問した際、「韓国との協力強化が自身の最優先関心事項」とし「エネルギー・農業・航空・未来産業(水素生産など)分野で韓国企業と協力したい」と明らかにした。 バーナード・マクナミー元エネルギー規制委員長も候補に含まれる。マクナミー氏はトランプ氏の再執権に備えて保守シンクタンクのヘリテージ財団が主導して作成した政策集「プロジェクト2025」のエネルギー分野を代表執筆した。電気自動車、バッテリー、新・再生可能エネルギーに対する補助金制度のインフレ抑制法(IRA)を廃止すべきというのがマクナミー氏の考えだ。 ◆大統領選撤退のケネディ氏の入閣も 民主党出身者の入閣の可能性も提起される。今回の大統領選挙で第3の候補として出馬して撤退し、後にトランプ氏を支持したロバート・ケネディ・ジュニア氏は、保健福祉長官を念頭に置いているという。 2年前に民主党を離党してトランプ氏を支持したトゥルシー・ギャバード元下院議員(ハワイ)も入閣するという予想が出ている。初のサモア系下院議員でありヒンズー教信徒のギャバード氏は外交関連の職務を引き受ける可能性がある。 専門家らは「再び訪れたトランプ時代の最大の話題はトランプ氏本人」と口をそろえる。梨花女子大の朴元坤(パク・ウォンゴン)教授は「トランプ氏の1期目を最もうまく扱った安倍晋三首相の日本政府をベンチマーキングする必要がある」とし「結局、トランプ政権はホワイトハウス・大統領中心主義であるため、トランプ氏の耳目を集めることが重要だ」と述べた。続いて「もちろん各長官がディテール事案を調整するので、その人選にも集中する必要がある」と話した。