「10年に一度レベル」って去年も言ってなかった? 気象庁の「早期天候情報」 実は今年だけで40回以上発表
月曜日と木曜日の週2回、つまり年に100回余り、情報が発表される機会があることを考えれば、1年の半分近くは何らかの早期天候情報が出ていた計算になります。 今回発表された「低温・大雪」に限ってみても、2022年~23年の冬で4回、2021年~22年は6回と、1シーズンだけで5回前後は「10年に一度の寒波」が予想されていました。 「10年に一度」という割には発表の回数が多すぎる気もしますが、どうしてこのようなことになるのでしょうか。 ■ポイントは「その時期としては…」 気象庁は早期天候情報について「その地域・時期としては、10年に一度程度しか起きないような著しい高温や低温、降雪量となる可能性が、いつもより高まっているとき」と説明しています。ポイントとなるのは「その時期としては…」という前置きです。1年で最も暑い(寒い・雪が多い)時期と比較するのではなく、その時期だけをみて「平年と比べてどれだけ隔たりが大きいか」が重要になります。 つまり、7月~8月には当たり前のように30度を超えるような地域でも、たとえば5月に30度と予測されれば、それは「5月としては10年に一度レベル」の異常な高温と言えるでしょう。雪も同じで、たとえば1月~2月だとよくある大雪も、12月に降れば、それは「12月としてはかなり多い」降雪量になります。 実際に「かなり多い」かどうかを判定する基準は、地点ごとに細かく決められています。たとえば北陸地方で、12月20日からの5日間で「かなり多い」とされる降雪量は、新潟市で13センチ、富山市で35センチ、金沢市で17センチ、福井市で19センチです。シーズンを通してみれば“大雪”とは程遠い降雪量かもしれませんが、12月後半としては、これは10年に一度くらいしか起きない「大雪」なのです。 そして北陸地方全体の平均で「かなり多い」となる確率が30%以上と予想されたときに、気象庁は早期天候情報を発表します。