認可外保育園での乳児死亡、検証委が行政の指導強化求める 保護者のケアで那覇市の対応に不十分さも 沖縄
2022年7月に沖縄県那覇市の認可外保育園(同年8月に廃止)で、一時預かりされた生後3カ月の男児が心肺停止の状態で救急搬送された後、死亡した事案で、那覇市の検証委員会(会長・照屋建太沖縄キリスト教短期大学教授)は25日、再発防止策をまとめた報告書を知念覚市長に答申した。 【事案の第一報】認可外保育園で3カ月男児死亡 那覇署、慎重に捜査
再発防止策として市・国などに対して、調査や事業停止、施設閉鎖命令を含む指導体制の強化、迅速で徹底的な検証を可能とするための法制度の見直しを求めた。公立や私立保育園の一時預かり保育、夜間保育施設整備なども提言した。 同事案を巡って沖縄県警は乳児の死因の特定を進めるとともに、乳児が死亡した保育園関係者から事情を聴くなどして、当時の保育状況と死亡の因果関係を慎重に調べている。 報告書では、再発防止策として、保育施設に7項目、市に14項目、国に2項目を提言した。検証委員会は市からの諮問を受けて2022年12月に発足。23回の会合を持ち、施設関係者や利用者、市職員ら計27人からヒアリングを実施した。 一方、検証委として元園長への聞き取りは実施できなかった。照屋会長は「園長自身から聞き取れないことで事実関係をしっかり把握できなかった。園長からヒアリングができる調査権限があると良かった」と語った。
検証委の設立時期について、報告書では「速やかに開催すべきだった」と指摘した。市の遺族への対応については「保護者と十分にコミュニケーションがとれておらず、検証委が立ち上がるまで、ヒアリングも実施できていなかった」として、保護者へのケアが十分ではなかったとした。 報告書を受け取った知念市長は「改めて市内保育施設における重大事案の再発防止策を検討し、二度とこのようなことが起こらないよう各保育施設の安全対策の徹底に努め、安全安心な保育環境の整備を図っていく」と語った。
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