「泣きそうになる」台風被災の復旧に22億円 タヌキだらけの駅はローカル鉄道の危機を救うのか 静岡
計画の発端は45年ほど前にさかのぼる。きかっけをつくったのはSL列車の初代専務車掌を務めた石原〆造(しめぞう)さんだ。 石原さんは乗客への案内が好評で、チップをもらうことも多かったそうだ。チップを多くの人を楽しませるために使おうと考え、神尾駅に信楽焼のタヌキの置物を置いたという。
トーマスやSLのほかにも観光資源が欲しい大井川鉄道は、その名物車掌のレガシーに着目した。 大井川鉄道広報室の山本豊福 次長は「大井川鉄道はこれまでSLがウリで停車しない駅への関心は低かったが、SLが止まらない駅でも見せ方によっては観光客を呼ぶ材料になるのではと考えた」と、タヌキの置物に注目した理由を話す。
シンボルは金色タヌキ 開運切符も
いまでは70体はあるというタヌキの置物だが、中には金色の大きなタヌキもいる。通称「ゴールデンタヌキ」だ。 神尾駅のたくさんのタヌキの像の目玉となるよう、お腹と笠の部分を金色に塗って良い縁起を招くタヌキを作った。
2024年1月にタヌキ駅化計画を打ち出してから、徐々に観光スポットになりつつある。 また、大井川鉄道ではこのタヌキ駅化計画に合わせ、ほかにも縁起がいい駅として有名な「合格駅」や「門出駅」も周遊できる「開運たぬきっぷ」を販売している。
大井川鉄道広報室・山本豊福 次長: タヌキは“他を抜く”という意味もあるそうで、ぜひ運も力もつけてよい縁起も持って帰っていただきたい 被災現場の見学ツアーや無人駅のタヌキ駅化計画。 自然の猛威に翻弄されながらも、懸命に生き残り策を探るローカル鉄道にエールを贈りたい。
テレビ静岡