「井上尚弥vs中谷潤人を大谷翔平とドッキングさせてドジャースタジアムで実現できないか?」3人の元世界王者が米メディアでモンスターの“未来”について激論
ブラッドリーは、「1人だけいることが分かった。彼の名前は中谷潤人。彼はバンタム級に階級を上げて、そこで王座を獲得した。彼もまた日本人だが、彼は井上と違って日本におらず米国にいる。スタイルとしてマッチアップは素晴らしいものになるだろう」と、3階級制覇王者の中谷の名前をあげた。中谷は、中学を卒業すると米国ロスに活動拠点を移した。現在も試合前になると米国で長期合宿を張り、今回も7月20日に両国で行われるとの同級1位ビンセント・アストロラビオ(フィリピン)との初防衛に向けてロスでスパーリングを積み重ねている。 マリナッジも「西洋(米国)と東洋にいる日本人ファイターによる戦いで面白い」と、この意見に同意した。 現役時代にいずれも敗れたが、パッキャオやエロール・スペンス・ジュニア(米国)らとビッグファイトを経験してきたアルギエリは、「階級を上げることを駆り立てる代わりに、そこで待つことでライバルが出てくる。井上と中谷の対戦は素晴らしいし、アジア選手による戦いとなると(会場は)井上とネリが戦った東京ドーム。チケットは売れて5万5000人は集まるだろう」とした上で、ユニークな提案を行った。 「(共同プロモーターの)トップランク社がドジャースタジアムで、井上対中谷の試合を行い(ドジャースの)大谷と一緒に(花道を)歩くようなパッケージをブランド化すればどうだろうか」 全米でトップアスリートの地位を確立しているドジャースの大谷翔平と「井上vs中谷」をうまくドッキングさせてプロモーションすれば、ドジャースタジアムでの世界的な興行も可能ではないか、というアイデアだ。 アルギエリは「井上は米国で試合を行うべきか」という議論に絡めて、こうも熱弁した。 「彼はすでに日本でビッグな存在だ。米国で試合をすることは彼の偉大さを証明することではなく、より大きな人気を獲得するという意味はある。こちらに来るか、来ないかは、人気やブランド展開によって決まるだろう」 ドジャースタジアムでのイベント開催は夢物語だとしても井上の米国再進出には、それなりの仕掛けが必要となるだろう。 これまでロス、ラスベガスで3試合を行ってきた井上は、今回の渡米で刺激を受けたようで「また米国で試合をしたくなった。条件次第では考えたい」とコメントしている。 米で権威のある専門誌「ザ・リング」によるパウンド・フォー・パウンドで、井上は2位、中谷も10位にランキングされている。世界トップ10にいる2人の対決は、全米でも話題になるに違いない。ただ中谷はバンタム級に転級してまだ1戦で、バンタム級の4団体を統一するという目標がある。井上尚弥との試合よりも先にWBA世界同級王者の井上拓真(28、大橋)との統一戦が現実的だ。 ただ井上は、今回の渡米時に出演したESPNの中継内で、中谷との対戦の可能性について問われ、「この先の対戦相手の候補の一人としてすごく楽しみな選手」と発言した。身長のある中谷は、体格的にスーパーバンタム級転級は十分に射程圏内。実現するなら井上がフェザー級に転級する前のスーパーバンタム級でのラストマッチか。世界が注目する最高のドリームマッチとなるだろう。
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