【コラム】「走り勝つシューター軍団」 バスケ女子日本代表は結果と内容を追い求める | FIBA女子オリンピック世界最終予選
【バスケットボール女子日本代表・コラム】2月8日の深夜に開幕するFIBA女子オリンピック世界最終予選(WOQT)に臨む、バスケットボール女子日本代表。スペイン代表、カナダ代表、ハンガリー代表と同グループに入った日本代表の勝算は──。
バスケ女子日本代表は「速さ、しつこさ、チームワーク」でパリ五輪出場を目指す
バスケットボール女子日本代表は、2月8日の深夜に開幕するFIBA女子オリンピック世界最終予選(WOQT)に挑む。オリンピックは男女とも12チームしか参加できない狭き門。16チームが4つのグループに分かれ、各グループ3つのオリンピック出場権を争うWOQTは、実質的にオリンピックの1次リーグとも言える。日本代表はハンガリーのショプロンで開催されるグループに入り、2月8日24時30分からスペイン代表、2月9日26時からハンガリー代表、2月11日23時からカナダ代表と対戦する。 2021年夏の東京オリンピックでの銀メダル獲得は日本バスケ界における歴史的快挙だったが、トム・ホーバスから恩塚亨へとヘッドコーチが代わった後、2022年のワールドカップでは9位と失速し、昨年のアジアカップでは決勝で中国に敗れ、アジアでの連覇が『5』で途絶えた。スピーディーな展開から3ポイントシュートで相手に打ち勝っていくバスケは、東京オリンピックでこそすさまじい威力を発揮したが、銀メダルという目覚ましい結果を出したことで研究され尽くされ、同じことをやっていては勝てない状況がやって来ている。 相手に手の内を知られ、徹底した対策を取られた中で、それを乗り越えるパフォーマンスを出せるかどうかが恩塚体制の課題となっているが、この2年間は内容はともかく結果を出せていないのが現状で、今回のWOQTでもこの課題にどう立ち向かうかが問われる。
12人の招集メンバーは3ポイントシュートが打てる選手ばかりで、どこからでもチャンスを作り出して決める力を持っている。それでも守備から攻撃に切り替えるトランジションでどれだけ良いチャンスを作り出せるか、速攻でシュートまで行けない場合の人とボールが連動する動きの質をどれだけ高められるか、そして国際大会では必ず向き合わなければいけない高さの不利をどう埋めるかと、武器である3ポイントシュートをどう決めていくかとは別の部分で課題はたくさんある。 FIBAランキングでは9位の日本代表に対し、スペイン代表は4位、カナダ代表は5位、ハンガリー代表は19位。スペイン代表は昨年のユーロバスケットで準優勝、カナダ代表は2022年のワールドカップで準決勝進出と結果を残している強豪で、ハンガリー代表だけ実績で一つ劣るものの自国開催の『地の利』がある。油断できないチームが揃ったグループで、最下位を避けてパリへの切符を確保するのは最低限のノルマで、それ以上の成績を残すことでパリに向けて弾みをつけたい。 東京オリンピックでの銀メダルは快挙ではあったが、もう3年前のこと。ワールドカップで結果を出せず、アジアカップ連覇の途切れた今、チームの自信は揺らいでいるはずで、自分たちのやっているバスケが間違っていないと再認識する上でも、結果だけでなく内容も伴った3試合にしたいところ。吉田亜沙美、馬瓜エブリンとベテランが代表に返り咲いたのは、敵地での大会での心身のコンディション作りの難しさ、一度つまずくと立ち直るのが難しい短期決戦という意味で、2人の経験とメンタルの強さを買ったのだろう。