第二種奨学金で借りた利子付きの250万円。無事就職したけれど、返済までどのくらいかかる?
大学などに通う学生の3人に1人が利用(※1)している奨学金ですが、貸与型の奨学金は卒業後に返済する必要があります。 今回は、日本学生支援機構が提供している奨学金について、制度の概要と、貸与型奨学金の返済方法について解説します。
第二種奨学金とは
日本学生支援機構が提供している奨学金には、大きく分けて、給付型と貸与型の2種類があります。そして貸与型の奨学金には、無利子の第一種奨学金と有利子の第二種奨学金があります(※1)。 1. 選考基準 それぞれの奨学金を利用する上では、利用する学生の学力と学生の生計を維持している世帯の収入に制限があります(※1)。 給付型の奨学金を利用できるのは、住民税非課税世帯およびそれに準ずる世帯で、一定の成績を修めている、または進学先で学ぶ意欲がある学生に限られます。 貸与型の奨学金に関する制限は、給付型に比べると緩和されています。特に第二種奨学金は、世帯収入の制限が緩やかで、学習成績も平均水準以上であれば利用することができます。このため、多くの学生が第二種奨学金を利用しています。 2. 奨学金の額 給付型と貸与型の第一種奨学金の額は、通学先(国公立または私立)や通学形態(自宅または自宅外)により定額、または上限が決まっています。一方、第二種奨学金にはその区別がなく、最大で月額12万円となっています。 図表1
(※1を基に筆者作成)
第二種奨学金の返還
奨学金は、返済された奨学金が次世代の学生への奨学金の原資となることから、返済することを「返還する」と称しています(※1、2)。 1. 利率方式の選択 第二種奨学金の利率には、利率固定方式と利率見直し方式があり、奨学金を申し込む際にいずれか一方を選択します。なお、利率は、年3%が上限となっています。令和5年3月に卒業した学生に適用される利率は、利率方式ごとに図表2のとおりとなっています。 図表2
(※2を基に筆者作成) 2. 返還方法と返還期間 第二種奨学金の返済方法は、定額返還となり、貸与を終了した翌月の1日から利子が発生します。返還期間は貸与総額(借用金額)により異なり、貸与総額を図表3の「奨学金返還年数算出表」に定める割賦金の基礎額で割った年数(少数点以下切り捨て)となります。 図表3