脳卒中の診断にAI開発、迅速かつ効果的な治療提供に期待 専門家「正確さ2倍に」
AIが脳卒中の発症時期を見極め、より効果的な治療が可能に─? 英インペリアル・カレッジ、エディンバラ大学、独ミュンヘン工科大学の研究者らは実現に向け、新たなソフトウエアの導入を目指している。この技術で、より迅速かつ正確な救急医療を提供できると考えている。 研究を主導したのは、顧問神経科医のポール・ベントレー氏。 「脳卒中がいつ始まったのか、治療が適切かどうかだけでなく、今後、患者に何が起きるかを予測する上でも役に立つ。患者や家族に対して、後遺症や回復の可能性を伝えることができる。脳画像による解析で、従来よりも多くの情報を得ることが可能になる。これまでは単純に、灰色に見える病変の大きさに基づいて推測していた」 脳卒中は脳の血管が詰まったり破れたりし、血流が悪化することで発症する。血流が悪化すると脳細胞は急速に死ぬため、発症時期の把握が非常に重要とされる。標準的な治療法は初期にしか効果がなく、二次的な症状を引き起こす恐れもあるという。 ベントレー氏によると、脳画像から病変を目視で判断する従来の検査方法に比べ、このソフトウエアは2倍の正確さがあることが分かったという。 「私たちの技術により、これまで治療を受けられていなかった人々が治療を受けられる可能性が最大50%増加する。もしくはその逆もあり得る。出血や症状悪化リスクから、治療を行う方が危険で、効果がない場合もある」